4/43
占依存症1
「おはよう」
声をかけて、古びた占いの館に入る。
数人いる占師は、ご機嫌斜めだ。
女性だけの占師が集まっていると、だいたいこんな感じだ。
あからさまな感情が、私に向けられる。
ただ、2級取得者がいれば、少し事情も違う。
技術の差というか、1級と2級の差はどんなものか
見極めようとする必死さを感じる。
1級、2級の差もそうだけど、
2級、3級の差もまた広い。
この村の占師は3級取得者のみ。
第1級の人――つまり私――が来ると
占いする場所の一番良い場所を譲らないといけない。
客も取られる。
本当は1級占師が来たと、宣伝もしないといけないのだけど、
そこはもうないも同然の規則。
私もあまり来られてもイヤだから、黙認する。
こんな違反は他にもやっている人多いから別にいいんだけど。
普段はこの占の館の責任者であり、私が今使っている部屋の
――ナミって言ったかな。彼女がお客を連れてきた。
「こちらが第1級資格の占師です。――どうぞ」