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序章3
王宮内では、スタイル自由でやっていた。
完全に実力主義。
今よりも優雅な生活。
料理はいつも第1級熟練料理人のもの。
時々開かれる酒宴は、第1級熟練音楽家の演奏に
踊り子の舞い。
エリート集団の居心地は、私には合わなかった。
他の第1級の人からの占師への嫌味は我慢できたとしても。
「マスター」
黙っている私に、シャドゥウが声をかける。
「明日はお仕事の方、どうされますか?」
「もちろんやるわよ。仕事道具用意しておいてね。
仕事が終わったら窓口でお金をもらって、
もう1泊して・・・・・・そしたら移動」
「わかりました」
「よろしくね。じゃあ、おやすみ」
私は明かりを消した。
シャドゥウの挨拶を聞く前に。
◇ ◇ ◇
明日の予定を、自分の意思でほぼ決めることができる。
誰もがうらやむ、王宮生活を捨てて得た、
私の自由だ。