自動筆記者11
私が言葉を発する前に、隊長が言う。
「かくまうと、あなた方も罪に問われますよ」
力ずくでもどかすと、銃を向ける。
「ジュニ! ユウエ! 私出るから、あけて!!」
M・マイルの声。
ジュニが必死でドアノブを掴んでいる。
「法律違反はわかったわ。でもどういった違反?
銃を向ける前に、説明する義務があるはずよ。
私はまだ聞いてないわ」
もう見てしまったけど、あえて聞く。
「占師が犯してはいけない罪の一つを犯したのよ」
「あなたには聞いていない」
キャシーの言葉を遮る。
「人の死期を正確に占い、本人に教えた罪です」
「あの人が積極的に占うわけないじゃない!!」
ジュニが叫ぶ。
嵌めたんでしょ、と。
「顧客の一人がスパイだったみたいで・・・・・・」
と涙目でユウエが教えてくれる。
「キャッ」
一瞬気が緩んだのか、ジュニがよろめき、
他のアシスタントの子が止める間もなく
M・マイルが出てきた。
「罪は罪だから」
一言そう呟く。
きれいな手が、赤く腫れている。
「罪だっていうなら人を陥れようとする人の方が罪よ!!」
ジュニは叫ぶ。
「あら、そんな証拠がどこにあるのかしら?」
キャシーがけたたましく笑う。
国家警察が連れて行こうとするのを私は止めた。
「あなたも連行されたいんですか?」
「――確認したいの。マーガレット・マイル。あなたは本当に――」
「ええ。事実です。理由はどうあれ、私は法を守りませんでした」