自動筆記者3
「突然お邪魔して申し訳ありません」
握手を交わし、私は早速本題に入った。
「今日から数日間、ここで占いの方させてもらいたいんですが」
「第1級熟練占師の方に来ていただけるなんて、光栄ですわ。
早速支度させますわね」
にこやかに言うと、人を呼び2,3指示を与え、
すぐに出ていかせた。弟子、なのかな。
それにしても、こんなに丁寧に応対されるとびっくりする。
第2級といっても、マーガレット・マイルの実力は伝え聞いている。
それこそ、第1級のロイよりも。
言葉を失っている私にマーガレット・マイルは
微笑みながら訊いてくる。
「どうされました?」
「人間、できてますね」
つい出てきてしまった言葉。
失礼といえばそれまでだけど、本当にそう思ったのだから。
「腕も実力も第1級の者と同等かそれ以上と聞いています。
第1級になれないということに歯痒さを持っているかと思っていました。
だから、この歓迎、驚きました」
「遠方から来られた方を歓迎するのは当たり前ですわ」
心より歓迎されているかどうかは占いに頼らずとも、わかる。
マーガレット・マイルは心から歓迎してくれている。
彼女がこの占いの館を雰囲気のよいものにし、
ここで働く占師たちも彼女を慕っているということが
それだけでよくわかった。