あなた
I×愛
愛って何?と聞かれたらあなたはどう答えますか?人によって答えは違うと思います。いったい愛とはなんなのでしょうか?私はこの研究を通してあるひとつの結論に達しました。それは「愛は語れない」ということです。今までたくさんの人が愛について考え、悩み、その答えを導こうとしてきました。
例えば、仏教やキリスト教、孔子の教え儒教などでは愛について語られています。多くの心理学者や哲学者や、また一般の人も愛について考えを述べているものを私は目にしてきました。しかし、それはあくまでその人の考え方であって、納得できる部分もあればできない部分もあります。私はむしろそれが普通だと思います。考えや価値観は人それぞれ違うし、それと同じように言葉も、変わっていきます。例えば、仏教の中では愛というのは煩悩であり、捨てるべきだと説かれています。その代わり、私たちが今使っている意味に近いものとして、慈悲を挙げその大切さを説いています。キリスト教のなかでは愛はアガペー、エロース、ストルゲー、フィーリアの4つに分けて考えられています。また、儒教では人を愛すことが仁の一つだ。と説かれています。とこのように愛という言葉は色々な言葉に置き換えられ、微妙に捉えられ方が異なるのです。日本では、仏教と共に伝わった愛という漢字を、後から伝わったキリスト教のLoveという言葉に当てはめたので、包括的な広い意味を持つ言葉になりました。その分意味が曖昧なものになり、言葉で語るのがとても難しくなりました。言葉では語れない愛ですが、実は仏教もキリスト教も儒教も辞書も根本では同じことを伝えようとしていました。愛を突き詰めて突き詰めて突き詰めて考えると、それは相手を思いやる気持ちだったのです。相手を思いやった結果そこに愛が生まれ、それが親子愛だったり、夫婦愛だったりといった様々なものへと形を変えていき、相手へと伝わっていくのです。残念ながら私はこれ以上愛を語ることができません。ここから先は皆さん一人一人が愛について考え、悩み、それぞれの答えを導き出して欲しいと思います。ただ、一つだけ言いたいことがあります。時々愛は必要ない。という人がいますが、私はそれは違うと思います。愛が無くなるということは相手を思いやる気持ちがなくなるということですが、もしそうなったらこの世界はどうなるでしょう。人と人の間の問題だけではなく、環境破壊や資源の枯渇など世界中で大問題が発生するのは、明らかです。また人は愛されることで、より幸せを感じるということが、ハーバード成人発達研究所の調査で明らかにされています。このことはアメリカに住んでいる700人を75年間調査し続けるというとてつもなく根気のいる方法で明らかにされました。愛があればこそ、今の私たちがあるのです。愛が地球を救うという意味はここにあったのです。愛は相手を思いやることだということを根本に、一人一人がそれぞれの愛の答えを持つことが出来ればこの世界はもっと良くなると信じて、私の発表を終わりたいと思います。