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お昼になって、わたし達は移動した。
水族館のあるビルのすぐ裏手が遊園地。
広い広場があり、こっちも大人気のスポットだ。
わたし達はお昼を食べる為に、広場に移動した。
「リクエスト通り、和食にしたの。口に合うと良いんだけど」
「ひなさんの手作りなら、何でも美味いよ!」
彼は食べる前から強気で言う。
…正直、プレッシャーを感じてしまう。
料理は一通りできるけど、凝ったものはあまり作らない。
簡単なものばかり作り慣れてしまってて、昨夜は結構苦戦した。
「実はお母さんに手伝ってもらいながら作ったの。だから味は…大丈夫だと思うけど」
バッグから重箱を取り出した。
重箱は、お母さんが出してきた。
高校一年なら、食べ盛りだからって…。
…でも流石に、三段はないと思う。
「わあ、スゴイ! 重箱だ」
やっぱり驚かれたし! …てーか引かれないだけ、まだマシかな?
「ひなさん、随分食べるんだね」
「えっ…」
…やっぱり本当のことを言おう。
「コレもお母さんの入り知恵って言うか…。まっまあ食べてみて!」
もうゴチャゴチャ言うよりも、食べさせた方が良い。
そう思って、わたしは重箱を開けた。
一段目はデザート、二段目はおかず、三段目はおむすびになっている。




