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わたし達は向かい合った。
出会った時、わたし達はお互いの正体を全然知らなかった。
でも秘密がバレた今でも、お互いの気持ちは変わらないし、揺るがなかった。
そのことがとても嬉しい!
思わず彼に抱きついた。
「わっ!? ひなさん?」
「ふふっ♪ 大好きよ、正義くん」
「ひな、さん…」
彼が夕暮れにも分かるぐらい、真っ赤になる。
可愛くて、カッコ良い正義くんが大好き!
叫びだしそうな心を抑えて、背伸びをして、彼にキスをした。
「ひなさん…! 大好き」
正義くんはわたしの額、頬、まぶたに優しくキスをする。
「ふふっ、くすぐったいわ」
「だってひなさんのこと、大好きだから」
ぎゅうっと強く抱き締められると、幸せで目が眩んでしまう。
「ねっ、良かったらわたしの家に、これから来ない?」
「えっ? ひなさんの家に?」
「うん。お母さんが正義くんに会いたがってるの」
「ひなさんのお母さんが…って、確か今、理事長も…」
「うん♪ 父さんも正義くんとジックリ話がしたいって言ってたし」
正義くんの顔色が見る見る悪くなる。
「大丈夫よ! 父さんが何か言ってきても、わたしとお母さんが、正義くんを守るから!」




