表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOVEファイト!  作者: mimuka
63/66

2

恐る恐る中を覗くと、1人の少年が傷だらけで倒れていた。


わたしはハンカチを水道でぬらし、少年に駆け寄った。


「大丈夫? キミ、しっかりして」


声をかけながら、顔を拭いてあげた。


そして買ってきたミネラルウォーターを飲ませてあげると、少年は意識を取り戻した。


「…あれ? ここは…どこだ?」


「公園よ。あなた、倒れてたんだから」


汚れている顔や、手を拭きながら、ざっと全身を見た。


…大きなケガはしてなさそうだけど、病院には行った方がいいだろう。


「…ワケありじゃなかったら、救急車呼ぶけど?」


「いや…いい。いつものことだから」


声変わりをしたばかりの声で呟かれると、胸が痛かった。


「あなた…美夜のコね? でもいくら美夜の学生だからって、ムチャなケンカは感心しないわよ」


頭を起こし、少しずつ水を飲ませると、少年はだんだん意識がハッキリしてきたようだ。


軽く頭を振り、ゆっくりと立ち上がる。


「説教はセンコーだけで、カンベン…」


「ガキが何言ってんのよ」


そう言いつつも、ふらつく少年の体を支えた。


「ムリな時は誰かを頼りなさい。そのことは大人でも子供でも関係無いんだから」


少年の目が、真っ直ぐにわたしを見る。


…何て強い目をしているコだろう。


きっと将来、この少年は強くなる。


誰よりも、何よりも。


「本当の強さの意味、間違えないで。弱さは恥じゃないことを、知って」


「…うるせーよ」


吐き捨てるように言って、少年はわたしから離れて、一人で歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ