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「なのでしばらく、白虎は欠席します。その間に青竜・玄武・朱雀のお三方で高等部の方をまとめてください」
「あいよ」
「分かった」
「了解したわ」
三人の顔が、真面目になる。
「それとお嬢様、頼まれていたものが用意できましたので」
中川さんはにっこり笑って、紙袋を差し出してきた。
「わっ、ありがとう。助かるわ」
「いえいえ。いつでも困った時には、お申し付けください。社長からも『よろしく頼む』と言われていますし」
「あっ…ははは」
「陽菜子さん、これなぁに?」
「ずいぶん大きな荷物だね」
朱李ちゃんと正義くんが、興味津々に紙袋を見ている。
なのでわたしは笑顔で答えた。
「もちろん! ここの制服よ」
「えっ…」
「ええっ!」
2人がのけ反るのを見ながら、紙袋から大きな箱を取り出し、開けた。
高等部の女子制服が入っている。
「来週からでもここに通えるように、ね」
「こっちに転校してくんのか?」
「ええ。わたしが黄龍だってことは、もうバレちゃったしね。ならいっそのこと、ここで転校してきたほうが、時期的にもいいかと」
「なるほどな。確かにココに来た方が、安全だな」
青城先輩は苦笑しながら言った。
「そうなのよ。だから来週からはよろしくね」
三人に微笑みかけると、朱李ちゃんと正義くんの顔が見る見る明るくなった。




