2
「父さんから何か言われた?」
「いんや。ただ…」
「こういう騒ぎは二度と起こすなと、クギを刺されたぐらいね」
2人は苦笑した。
一応父さんには、青城先輩も朱李ちゃんも助けに来てくれたんだから、咎めないで欲しいと言ったんだけど…。
「大丈夫! もうわたし自身が黄龍だって、認めたんだもの。わたしにちょっかいを出そうというヤツが出たなら、返り討ちにしてやるわよ!」
「カッケーな、月花」
「カッコ良い! 陽菜子さん!」
朱李ちゃんが抱き付いてきたので、優しく頭を撫でてあげる。
可愛いなぁ。妹みたい。
「あ~! 朱雀! 何ひなさんに抱き付いてるんだよ!」
ちょうどその時、正義くんと中川さんが理事長室に入ってきた。
朱李ちゃんをわたしから離すと、正義くんは朱李ちゃんと口ケンカを始めてしまう。
「ひなさんはオレの彼女! 勝手に引っ付くな!」
「なによぉ! 心がせまいわね!」
「うるさいっ!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ二人を、わたしと青城先輩は笑って見ていた。
「お嬢様、お待たせしてすみません」
「ううん、大丈夫。それより今日はどうしたの?」
「はい。まずは白虎のことですが…」
「そういやあ、アイツ、最近見かけてねぇな」
「白虎は秋観さんの元で、修行をし直しているんですよ。青竜」
中川さんの答えを聞いて、青城先輩の顔が微妙に歪んだ。
ちなみにわたし達、三人も、だ。
…どんな目に合っているか、容易に想像できることが恐ろしい。




