後日
「ぶっ…あはははは!」
「あはははは! おっかしーでしょう? 陽菜子さん」
朱李ちゃんが見せてくれた写真に、わたしは大爆笑していた。
ここは美夜学院の理事長室。
今はわたしと朱李ちゃん、そして青城先輩しかいない。
朱李ちゃんは正義くんの写真を見せてくれた。
わたしに告白する前、彼はとんでもない姿をしていた。
ハデな茶色に染めた髪は少し伸びていて、化粧をしていた。
制服も改造していて、ちょっと昔の不良を思い出させていた。
「前はこんなカッコしてたのによぉ。いきなり真面目ちゃんになったモンだから、どうしたんだって、ウワサになったんだぜ?」
わたしと朱李ちゃんが座るソファの向かいに腰かけた青城先輩も、にやにやしながら言った。
「調べさせたら、女が出来たっつーじゃねぇか。更に調べたら、アンタだったってワケだ」
「なるほど。だからわたしが白雨に捕まった時、すぐに駆けつけられたのね」
「アイツ、何か動きが変だったから。あたしの方でも調べてたの。そしたら陽菜子さんが狙われていることを知って、慌ててヤツらのたまり場の倉庫に向かったのよ」
朱李ちゃんははじめて会った時とは、印象が違った。
戦いの場面では凛々しく、ここではフツーの女子高校生と変わりがない。
きっと…一般の人の差別を受けて、あんな風に人見知りをしてしまうようになったんだろう。
「そっか。2人ともありがとう」
「いやいや。オレは貸しを返したかっただけだし」
「でも結局、陽菜子さんに助けられたようなもんね。あたし達」




