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LOVEファイト!  作者: mimuka
57/66

7

倉庫から人が去っていく中、父さんは正義くんを睨み付けた。


「―キミには特に、聞く話が多そうだ」


「はっはい…」


「父さんったら」


後でお母さんに言ってやる!


「さて、ひな。お前も今日は父さんと帰るんだ」


「えっ!?」


「そうした方がいいよ。ひなさん」


正義くんが弱々しい笑みで言ってきた。


翠麻と芙蓉が、正義くんの元に駆け寄ってきた。


「月花さん、今回は本当に申し訳ありませんでした!」


「すまん!」


2人はそろって頭を下げた。


「あなたのことをあえて視界に入れないようにすることが、巻き込まずに済ませる最善の方法だと考えていました。けど…」


「こうしてアンタを巻き込んでしまったのは、他でもないオレらの甘さだ。黄龍として、処罰を与えてくれ」


「あ~…もう良いわよ。あなた達の玄武への忠誠心は良く分かったし」


わたしは苦笑しながら、正義くんを見た。


「彼のことを大事に思う気持ち、わたしも良くわかるから」


「ひなさん…」


「だから、今回は勉強になったと思いなさい。まっ、わたしだったから良かったんだけどね。この後、同じようなことにならないように、精進しなさい」


「はい」


「分かった」

青い顔で頷く2人を、冬丘さんが後ろから頭を撫でた。


「まっ、この2人のことはオレに任せてくれ。陽菜子お嬢様はこのまま社長と帰った方が良い」


「分かったわ。それじゃ、正義くん。落ちついたら、連絡してね?」


「もちろん! ちょっと時間がかかると思うけど、必ず連絡するから!」


「うん、待ってる」


手を握って、すぐに放した。


…さすがにこんなに多くの人の前で、キスするワケにはいかないから。


「じゃあね!」


「うん、また!」



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