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今年の春、はじめて顔を合わせた時から、イヤなカンジがしていた。
…こんなのの弟子をしていた白雨を、少し同情する。
「…分かったわよ。白雨は秋観さん、あなたがもう一度教育し直すってことで、今回の件は目をつぶるわ。でも同じことを繰り返すようなら…」
「その時の処分も、オレがやるさ」
「はぁ…」
わたしは深く息を吐いて、渋々頷いた。
「なら、そう言う事で。現役四獣神達も良いわね?」
「月花が言うなら、オレは良いぜ」
「陽菜子さんがそう言うなら…」
青城先輩と朱李ちゃんは了解してくれた。
白雨は…選択権は無いだろう。
最後に正義くんを見ると、彼は複雑そうな顔をしていた。
「マサ、陽菜子お嬢様のお願いだぞ?」
冬丘さんがそう言うと、正義くんの体がびくっと動いた。
そしてため息をつき、わたしの目を真っ直ぐに見た。
「…分かった。ひなさんの言う通りに」
「ありがと!」
ほっと胸を撫で下ろし、わたしは父さんに視線を向けた。
「いつまで拗ねてんのよ! 父さん! 騒ぎは終わりよ! とっととしめて、家に帰るわよ! お母さんが帰りを待っているんだから!」
「おっ! そうだった」
…お母さんに関することだと、復活が早いな。
「それじゃこの場にいる全員、解散ということで。四獣神は後日、集まるように!」
その一声で、場の空気が変わった。




