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「しかも陽菜子お嬢様をオとすなんて、やるなぁ。さすがオレの後継者!」
「ははっ。柊の弟子バカは相変わらずだなぁ」
そう言いながら、白雨に近寄った男は秋観紅葉さん。
…ちょっとワルイ感じのする人だけど、容姿だけならカッコ良いと思う。
……中身はヤバイけど。
「それに比べてコッチはダメだな。白雨、お前調子付くクセ、やめろっつったよな?」
笑いながら、白雨の頭を踏み付ける。
「うぐっ…! すっスンマセン!」
…やっぱり相変わらず、ヤバイ人だ。
笑顔で人を踏み付けるんだから。
「弟子の不始末は、師匠の不始末。お前の育て方が悪いのだよ」
「うっせーよ。夏目」
秋観さんが睨み付けた相手は、夏目赤杜さん。
涼しげな雰囲気を持つ、和風の男性だ。
わたしに礼をすると、朱李ちゃんの方に向かって行った。
「久し振りですね、朱李。陽菜子さまの危機に駆け付けるとは、さすが私の弟子です」
「はっはい! 当然のことをしたまでです!」
朱李ちゃんは背筋を伸ばし、上ずった声で言った。
…どうやら夏目さんの厳しさが、精神的にも染み付いているらしい。
「まっ、こっちもこっちで、大変だったみたいですねぇ。松本」
「はあ…。しかし師匠、どうしてこちらへ?」
青城先輩に声をかけたのは、春市桜香さん。
少し女っぽい人だが、怒るとメッチャ怖い★
だからか、青城先輩の顔色も心なしか悪い。




