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支配者登場
「おやおや、ずいぶん殺気立っているね」
まさに一触即発の時、おだやかな男性の声が、倉庫に響き渡った。
倉庫の入り口に、6人ほどの大人がいた。
大人だと分かったのは、全員スーツを着ているからだ。
真ん中にいた男性が、一歩前に進む。
「美夜の生徒として、素晴らしいことだとは思うけどね」
その男性を見て、わたしは正義くんの後ろに隠れた。
「ひっひなさん?」
「ちょっと隠れさせて!」
小声で言って、目線を男性に向ける。
「四獣神のことについては、私を通してもらわないと困るな」
おだやかな中にも、威厳が含まれている。
わたし以外の全員の気が、その男性から発せられる気迫に押されていた。
「理事長…!」
「何でここに…」
青城先輩と朱李ちゃんが、呆然と男性を見た。
「うん、ちょっと気になる報告を受けてね」
男性は微笑みながらも、目が笑っていない。
男性が歩き出すと、目の前にいる生徒達は道を開ける。
真っ直ぐに進み、正義くんと白雨の前で立ち止まった。
白雨の顔色は、すでに白い。
「あっ、ああっ…!」
…どうやら理事長の威厳は、かなりスゴイらしい。
恐怖が魂にまで、浸透しているのが分かる。




