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雑種って…犬や猫の血統と、同じか、ヤクザは。
…ある意味、同じか。
「だから玄武が下についたって、誰も文句なんて言わねーよ」
「あるな。てめぇの力が増えることを、好ましく思わねーのが、ここに1人」
「同じく」
青城先輩と朱李は2人、手を上げた。
「…同数の多数決の場合、どうするの?」
「同数とは決まっちゃいねーだろ? 玄武の返事次第だ」
再び首に刃が当てられる。
ちょっとでも動けば、血が出るな。
「っ! やめろ! ひなさんは関係ないだろう!」
「ひなさん、ね。ずいぶんと愛されてること」
「相思相愛だからね」
わたしと白雨は軽口をたたき合いながらも、お互い緊張を解かない。
「で、どーするよ、玄武。多数決だと、お前の意見次第なんだけど?」
「くっ…!」
ぎりっと歯噛みする正義くんを、翠麻と芙蓉達は心配そうに見ている。
彼の返答次第では、翠麻達の立場も変わる。
このままじゃ…!
「ラチがあかねーな。…こっち来いよ、玄武」
白雨の言葉に、正義くんは大人しく従う。
わたし達の距離が1メートルの所で、彼は止まった。
「服従の証に、靴に口付けしてもらおうか」
「「なっ!」」
わたしと正義くんの声が重なった。




