四獣神と黄龍
翠麻達も何人かの手下を連れて来た。
でも青城先輩や朱李ちゃんの姿を見つけ、周囲の状況を見て、眼を丸くした。
「青竜に朱雀…! 何故あなた方が…」
「頼りねー忠臣だな。翠麻、芙蓉」
「何で陽菜子さんに警護を付けなかったのよ!」
「彼女をヘタに目立たせるわけにはいかなかったもので…。でも何であなた達は…」
「まっ、妙な縁でな」
「陽菜子さんには恩があるのよ。ここで返さなきゃ、朱雀の名が泣くわ」
う~ん。朱李ちゃんは凛々しいなぁ。
あのクレープ屋の前にいた子とは思えないぐらい、カッコ良い。
…って、胸きゅんしてる場合じゃなかった。
「おいおい。お前らのボスはどうした?」
「…彼をあなたの前に出させるわけにはいきません」
「だが彼女は返してもらうぞ」
翠麻と芙蓉が前に出てくる。
「勘違いすんじゃねーぞ」
首元にひんやりした物が当てられた。
…マズッた、パート2。
ナイフの刃が、当てられていた。
「やめなさいっ!」
「おいっ!」
翠麻と芙蓉がぎょっとして、足を止める。
「玄武を呼び出せ。じゃなきゃ、話になんねーだろうが」
ゆっくりとわたしの背後に回り、刃をアゴに乗せて顔を上げさせられる。




