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「…四獣神、3人を敵に回して、もし黄龍が現れたらどうするの?」
わたしは声をひそめ、白雨に言った。
「黄龍? そんなヤツ、いねーよ」
しかしヤツは鼻で笑った。
「創立十七年経っても、姿を現さない黄龍なんて存在いるかよ。はじめは理事長のことかとも思ったがな。そうでもねーみてーだし」
「でも四獣神のお互いの立場は、同じでなければならない。その掟を破れば、ただでは…!」
「それすらも良しとする立場に、俺がなれば良いだけだ」
「自分で黄龍になろうと?」
「―ああ、そりゃ良いね。美夜の卒業生も在校生も全て掌握できる存在なんて、ステキだな」
白雨は野心に満ちた眼をする。
「でも黄龍はここらを取り締まるヤクザの血筋だって聞くけど?」
「ああ、しかも全国のヤクザをも支配できるって話だろ? ありえねーよ。そんな存在」
けれどわたしがいくら言っても、白雨はバカにするだけ。
「ここ東日本を取り締まる最大の組織・龍星会と、西日本を取り締まる最大の組織・空龍組の血筋を組む者こそが、黄龍だって話だがな。そんな存在、いたとしたらとんでもねーだろ?」
「…確かに、ね」
「俺が思うにだ。学院側はそうやって架空の存在を出して、生徒達の心を支配したいと考えたワケだ。黄龍なんて存在、ウワサだけでも存在したら、おっかなくて中々悪さができねーからな」
「まあ、ね」
「そんないもしない存在に、いつまでも怯えてちゃなんねーワケよ。俺は」
「あっ、そ」




