四獣神
「月花、無事か?」
「陽菜子さん! 大丈夫?」
…青城松本先輩と火祇朱李ちゃんだった。
しかも2人の後ろには、男女共々大勢の生徒が…。
「青城先輩に、朱李ちゃん…。…青竜に朱雀ってまさか」
わたしは白雨の顔を見た。
白雨は緊張した面持ちで、頷いた。
「青城松本センパイが青竜で、火祇朱李ちゃんが朱雀だ。でもどうして2人が月花ちゃんのことを…」
「…2人とはちょっとした知り合いで…」
まさか四獣神のうち、3人と知り合っていたとは…。
…これも縁なのかな?
「おい、白虎。素人には手を出さないのが、鉄の掟だろうがよ。何勝手に破ってやがんだ?」
青城先輩の体から、静かで重い殺気が滲み出てきた。
「しかも四獣神同士の争いに巻き込むなんて…! 四獣神の1人としての誇りを無くしたの?」
朱李ちゃんも険しい表情で、殺気を出してくる。
コレは…!
四獣神の1人だというのも、素直に頷ける。
でも正義くんも、彼等と同じ立場だ。
彼等と同じように、闘志に溢れた人なんだ。
…別に隠されていたことに、ショックは受けない。
お互いに詮索しないというのは、わたしから出した条件だった。
ただそれが…わたしが秘密にしていたことと、深くつながっていた事が、何とも言えないというか…。




