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「えっ?」
「あっ、言ってなかったっけ? 俺、四獣神の1人で白虎なんだ」
「…じゃあこの騒ぎは、四獣神同士の…」
「ああ。滅多なことじゃ四獣神同士はぶつからないが、珍しいことじゃないんだ」
…厄介だな。
立場が均等している者同士の戦いは、めんどくさい上に厄介なのを知っている。
「彼が大人しくしてくれることを約束してくれるなら、俺はキミに危害を加えないって約束するよ」
…このことを翠麻達は予想していたのか。
きっと彼はこの条件を飲んでしまうと分かっていて…。
完全にわたしの失態だ。
彼に合わす顔が無いな。
「に、しても」
いきなりアゴを捕まれ、上を向かされた。
「全然怯えないんだな、月花ちゃん」
「―あいにくとアナタ達みたいなのには慣れててね。簡単には怯えるような女じゃないのよ」
わたしは白雨の手を叩いて、顔をそむけた。
「いいねぇ。ちゃんとした女、俺の好みだよ」
「残念。わたしは正義くんの彼女だから、ムリ」
「どうかな? 無理やり奪ってしまうことだって、できるんだが」
挑発的な視線を受け止め、わたしも睨み返す。
「アンタじゃ役不足よ。引っ込みなさい」
「あはは! 役不足ときたか!」
白雨は手を叩き、涙を浮かべるほど笑った。
「俺のオンナになりたいってヤツ、結構いるんだけどな」
「じゃあその子らを相手にしてなさい」




