明かされる彼氏の秘密
美夜の学校は、相変わらずウワサ通りに荒れていた。
いたる所からアルコールの匂い。
生徒達も一目で不良というのが分かる。
わたしは久々に背筋に汗をかいていた。
かなりマズイことになっていることを、自覚していたからだ。
「―こっちだ」
白雨は校舎から少し離れた倉庫の扉をアゴでさした。
手下と思われる生徒が、鉄の扉を開ける。
まるで港の倉庫みたいな建物だ。
「ココ、本来の使い道は何だったの?」
「多目的倉庫だとよ。外で使う体育の備品とか入れてたらしいけど」
今はアナタの本拠地と化しているんですか。
中に入ると、不良のたまり場そのものだった。
あちこちに酒瓶と、タバコの吸殻。そして…エロ本が転がっている。
でも奥の方に行けば、ソファとテーブルのセットが置かれてある。
立派な家具は、白雨がそれなりの権力を持っていることを示す。
「さて、そこに座ってくれ」
白雨は1番大きなソファーに座り、わたしは一人かけソファーを勧められて座った。
「自己紹介がまだだったな。俺は2年の白雨弓寅。よろしくな。月花ちゃん」
「っ! わたしの名前をっ…!」
「知ってるよ、モチロン。玄武のお姫様だもの」
「玄武? お姫様?」
わたしは思わず顔をしかめた。
玄武とはまとめ役の一人の名称だ。
それとわたしが何の関係があるというのか。




