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LOVEファイト!  作者: mimuka
32/66

3

「どちら様、だってよ」


男達の間で、笑いが広まる。


「―月花さん? どうしました?」


答えるに答えられない…!


動けないでいるわたしに、先頭にいた男が近寄ってきて、わたしのケータイを奪った。


「翠麻か?」


「っ! 白雨しろうか!」


「ヤツに伝えとけ。大事な彼女は預かった。返して欲しけりゃ手下連れて、学校の倉庫に来いってな」


「待てっ! その人に何かしたら…!」


「しねーよ。けど早く来なきゃ、どーなるだろうな」


ピッ。


…電話は切られた。


近くで話をしていたから、内容は全て聞こえていた。


「…わたしを美夜に連れて行く気?」


「そっ。大丈夫だって。俺は紳士だからな。大人しくしてりゃ、何にもしないって」


「…その外見で紳士って言われても、ね」


肩まで伸びた髪を、赤紫色に染めている。


体付きも良い。この間会った美夜の3年生と、良い勝負だろう。


それにこの殺気!


ただものではない。


「ところでアナタは何なの? どうしてわたしを連れて行こうとするの?」


「そりゃあ…」


楽しそうに笑って話そうとしたけれど、白雨はふと口を噤んだ。


「学校の倉庫内で話してやるよ。そこが俺の本拠地だからな」


…そしてわたしは美夜の男達に囲まれながら、連れてかれた。


美夜の学校に―。


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