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「タイヘンだとこと…」
それと正義くんが関係しているとは思えないけど…。
わたしはケータイを取り出したけど、誰からも連絡は入っていない。
…本当は気乗りしなかったケド、翠麻に連絡をしてみることにした。
連絡が途切れて何日も経つ上、約束の期日はもうすぐだ。
「―月花さん?」
「翠麻くん! もうすぐ1ヵ月経つのに、そっちはどうなの? 何で連絡してくれないの?」
「すみません。ちょっとゴタついているもので…」
「正義くんは大丈夫なの?」
「それは保障します。彼には傷一つ付いていません」
絶対的な自信のある言葉に、ほっと胸を撫で下ろす。
「もしかして、延長戦に入る?」
「…かもしれません」
その言葉に、目の前が一瞬真っ暗になった。
「…ねぇ、どんなことでもめているのか、内容だけでも教えてくれないかしら?」
「でっですが…」
「だってこれ以上は耐えられない! …正義くんとのルールを破る事だって分かってる。でもっ!」
「そうそう。ルールは破る為にあるんだぜ?」
―背後からの声に、わたしは驚いて振り返った。
美夜の制服を着た男達が7・8人いた。
ウカツだった!
電話で気を取られてた!
「…どちら様ですか?」




