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「ダメ…ですか?」
夜上正義くんは恐る恐る顔を上げた。
…可愛い顔をしているな。
もしかして…。
「あの、失礼ですけど、年齢は…」
「あっ、一つ年下の高校1年です」
やっぱり…。
「とっ年下はダメですか?」
「そういうワケじゃないけど…」
別に好きな人も付き合っている人もいない。
この子は真面目そうだし、可愛い。
だけどわたしは…。
「う~ん…」
思わずうなって、腕組してしまう。
「やっやっぱりダメ、ですか…?」
だんだん暗い表情になっていく。
「ダメ…と言うか。わたし、まともに恋人作ったことないし…」
「構いません! てか安心しました!」
「女の子らしいところ、あんまり無いし…」
「いいです! オレはそういうところが良いんです!」
…それはわたしにとってはあまり良くはないんだけど。
「…かっ家族がウルサイし…」
「おっオレ、静かにしてます大人しくしてます! しつこくしませんからっ!」
……いや、もうウルサイし、しつこい段階だけど…。
でもこれだけわたしのことを好きでいてくれる証拠かもしれない。




