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わたしの学生生活の中では、全くと言って良いほど縁が無い。
なのに彼らは何故…。
「おかしいですね…。気配はあるのですが」
ゲッ!
わたしの気配が読まれてる!?
ありえない…! プロにさえ、滅多に悟られないのに!
悟ったのはメガネをかけて、制服をキチンと着こなしている学生だ。
「う~ん…」
「おい、どうする?」
「そうですね。もうきっぱりと腹を割った方が良いのかもしれません」
丁寧語を使うメガネの学生と、もう一人。
2メートル近くある高い身長と、ガッシリした体つき。そして体のいたる所にアクセサリーを着けた、いかにもといった学生。
「すみません。月花陽菜子さん、いらっしゃるんでしょう? 出て来てもらえませんか? お話があります」
!?
わたしの名前を知っている?
…どうする?
お父さんに連絡すべきか…。
いや、でも逆に騒ぎを大きくするだけかも…。
「ボクの名前は翠麻藤矢と申します。私立美夜学院・高等部2年です」
やっぱり!
私立美夜学院・高等部の生徒だったか…。
翠麻藤矢は隣にいる学生に目配せをした。
「…同じく私立美夜学院・高等部3年。芙蓉楓」
二人は名乗った。
「―自己紹介は以上です。あなたに折り入ってお話したいことがあります。出てきてはくれませんか?」




