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まぁ、平和な日本では物騒なことはなかなか起こらないと思うし、気を張り詰めすぎず気を楽にして気配を普段の十分の一位の範囲程度で巡らせて、うん、だいぶ楽になったね。やっぱりこっちの人間ってかなり気の抜けた行動をとるのね。私もそんな行動を数年前までとっていたと思うとめっちゃ恥ずかしいわ。
それよりも、受付に誰もいねぇ。え、お姉さんは?何処?ドーコー?コミュ障だから受付に誰かいないとかレジに誰も立っていない時に呼ぶのがめっちゃ勇気いるんだよ。
あああ、どうすんだよ。
ベル!ベルがあったな!あああ、あった!
どうしよう、ベルが救世主に見えてしまう。
ツカツカとヒールを鳴らしながら受付のベルを押しに行く。が、その行動も鳴らす寸前で止まってしまう。そう、いくら力が強くなったとしても心がヘタレでは救世主のベルすらも押せないのだ。
ううう、べるさまぁ、ごめんなさい。私の心がヘタレすぎて、押せないなんて親にも言いたくねぇです。
「こんちくしょう!」
そういい、なけなしの勇気を振り絞ってベルを押す。
チーン!
なんかやだな。これ。だって、滑ったときとか、気分が落ち込んだときとかに使う効果音じゃねぇの?いや、落ち込んでもいないけど滑ってもいないけど。でもさ、なんか嫌なんだよね。うん。表現はできない。だって、異世界でもこっちでもコミュ障で友達がいなくて語彙力がないんだもん。………、ってもんてもんってなんだよ。気持ち悪いな。自分のことながら気持ちわるっ!なんか、可愛い女の子が使えば可愛いんだろうけど、自分が使えば途端に気持ち悪くなるな。………、怖。もんって怖い言葉なんだな。うん。一生使ってやんね。廃れてしまえ。あ、そうそう。リア充をひがむ声として「滅びろ」って使うじゃん?いや、あれって非力な人間が言うと冗談になるけどさ、私が言うとシャレにならないんだよね。そう考えると現代の非力な人間が使う言葉ってホントに汚いと思うよ。「死ね」「滅びろ」「クソ」「バ〇ス」等ね。あ、最後のは滅びの言葉。いやー、「バ〇ス」便利だよ?異世界で「滅びろ」なんて言っちゃうと皆怯えて息も出来なくなりそうだから、堂々と「バ〇ス」って言えると楽なんだよね。でも、デメリットがあるんだよね。そう、変な人にみられるんだよ。こう、こっちの世界のことの言葉とかじゃなくて私がおかしい人みたいに見られるんだよね。何で私が頭がおかしいやつなんだよ。巨匠が創り出した言葉だぞ。あと、「死ね」ね。異世界の人間が言うとシャレにマジでなんねえし、私の目の前で言うと皆雑魚の言葉になってしまうんだよ。悲しいかな。ってか、色々考えてたけどかれこれ20分は待ってるよ?遅くね?もしかして、音量?的なのが小さいのかもしれない。
チチチチチチーン!
絶妙な力加減で連続して押すと寂しいフロアに響き渡る。
ん?なんで来ないの?なんで?な・ん・で?
ちょっとイラついて気配が強く出てしまった。
ダダダダダダ
「誰だ!」
おっ、やっと来やがった。
「あ、あのっ!今日から事務のアルバイトをする町田と申します!よろひぃっ!」
強面スキンヘッドのお兄さんにご挨拶しようと思ったら噛んでしまった。
これがコミュ障の僻害………




