任務を終えて。彼女の決意
―任務完了し、早一時間
「ご苦労だった。引き続き頼む。」
「了解した。」
例の通信魔法で報告し、俺はベットに寝る。
ここは、この国一の大病院、ナゲール医院である。
俺は、この病院の医院長レラーから依頼を受けて欲しいとのことでここにいる。
この病院と無関係な俺が、レラーに会いに行くと色々面倒なので、わざと入院する理由を作った。
個人で運営しているのであれば、医院長自ら治療をする事が多いが、ここは国が運営している。
それなのにも関わらず、レラーは多くの手術や治療に携わり、ナースがやるようなこともする。
周りからは、親しみやすさとからかい半分で
働き者の医院長、なんて呼ばれている。
だから俺を治療するという理由で病室に来れば、簡単に話ができる。
トントン 「入るぞー」
「ああ…」
扉を開けて、レラーが入ってきた。
「いやーいやー、さっき急に患者が倒れちまってな。本当困っちまうわ。」
「それを何とかするのがお前達の仕事だろ…。 で、依頼内容は?」
時間もあまり無いので、早く本題に入って欲しい。
「まあ、そんな焦るなって。 …お前ユーラキ国王を殺ったのか?」
「…その件に関わってはいるとだけは言っておく。で、それがどうした」
「これは、たまたま病室回ってたら聞いた話なんだが…」
「シュマデがユーラキを攻撃した事がきっかけでな、他の国も動くらしい。それも軍事的な事でな。」
それもそうだろう。どこかの国が戦争を始めるような動きをすれば、どこの国だって警戒する。ましてや、この国は世界でも有数の魔法国だ。
だが、俺達は領地欲しさとかそういう目的でなく、あくまでも向こうが先制攻撃する前に叩いただけ。戦争しようだなんては考えていないはずだ。
「これは依頼というより忠告だ。」
レラーは声を小さくして言った。おそらくこの話は政府に届いていない。
なぜ、医院長からこんな忠告をされなけばならないのかと思ったが、確かに大事な話だ。懐にしまっておこう。
「わかった…。では、俺は帰らせてもらう。」
ベットから降りて、刺された所は完治していないが大丈夫だ。
せめて、高等な治癒魔法を使えればいいんだが…
「おい、傷は塞がっていないぞ。まだ治療しておらん。」
「早く治してくれ。」
「入院してけよ。話し相手してくれよ!」
「ならば、帰る。失礼した…」
「わかったから!今治すから!」
そういってレラーは俺の傷跡に手をかざすと、手の周りが黄緑色に発光する。
傷は跡形もなく消えた。
「すまない…」
「ま、話は以上だ。気ィつけな」
俺は病室を出て、その足で病院を出た。
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「ふわぁ〜〜…」
ルシナは大きなあくびをし、ベットから降りる。
今日は学校が休みだが、キルアに会うために早起きした。
制服に着替え、洗顔などを済ませて、メロンパンを一つ食べる。
歯磨きを済まし、キルアと会う約束をしている場所へ向かった。
まだ早朝で、ましてや休日のため通りに出歩いてる人をほとんどいない。
以前会った喫茶店は、夜はバーになる。
5時からはまた喫茶店になりオープンする。どうやら1つの店をお互いに時間を決めて営業しているらしい。
だから、店長も店が変わると一緒に変わる。
喫茶店に入ると、全く客はいない。それもそうだ。こんな時間に喫茶店に来る人は珍しい。
店内を見渡すと、一人の男性、キルアがいた。
何を注文するか迷っているのか、メニューを睨んでいる。
そっと彼の近くまで歩くと、彼はこちらに気付いた。
「やあ、久しぶり。ルシナくん」
「お、お久しぶりです…キルアさん」
「どうぞ」という声とともに、椅子へ腰を下ろす。
キルアは、前とは違い甘いカフェオレを頼んでいた。
ちなみに私はミルクティー。
「それで、考えはまとまったのかな…?」
キルアが優しく問いかける。
私は意を決し、
「…はい。 私は彼、いいえライザーさんと組ませてください!」
精一杯頭を下げた。
「君を<ハイド>の一員として、歓迎しよう…」