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決意と任務

 魔術と魔法の違いを説明しておきます。簡単に言うと、 

 魔法=魔力を使う物全部を表す。

 魔術=戦闘でよく用いられ、殺傷能力がある。


 学校では基本の魔術は教えられますが、殺傷能力はほぼ無いです。 ただ自在に力をコントロールし、通常の何倍もの威力にあげることは可能。


 ただ使い方によってはできてしまうこともあります。

 「強すぎるって…」


 地面に倒れて伏しているこの男の名はカイル。


 つい先程、授業の一環でルシナと模擬戦をすることになり、見事にコテンパンにされたのであった。


 ルシナはあの時、自分がどれだけ劣っているのかということを酷く痛感した。窮地に陥ったとき、魔術の一つも使えず抗うこともできなかった。


 (そんな自分が情けない…)


 自分はこれまで一体何のために勉強してきたのか…


 今までしてきたことは何だったのか…


 強くなろう…!


 そう強く決心し、今までよりも更に勉強に熱が入った。この学校でずっとトップだったという事だけで、過信し過ぎていた。


 それはただの自己満足だ。学校は魔法を勉強したいと思う者が集まるだけであって、皆が皆強いわけではない。自分は優越感に浸って、実力を過信していたのだ。



 「ごめん…。ちょっと力入れすぎた…」


 あまり人と話すのが得意じゃないので、少し噛んでしまった。


 「大丈夫だって!やっぱルシナちゃん強いよ!」


 カイルは満面の笑みでそう答えた。とはいいつつ、私は電流を流したので体は少し焦げている。



 「はーい次のやつー」と担任の掛け声を聞き、列に戻った。


 


 「…全然ダメだ」


 こんなんじゃあの人には全く及ばない。もっと強くなくては。



 魔法は男女の力関係なく、極めれば極めるほど強くなれる。男の力が強く、女は弱いなんていうのは格闘や剣術だけだ。

 でも魔法は、いや魔術は違う。いかに強力な魔力を放出できるかが重要なはずだ。


 だから私は魔法を勉強する。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 深夜2:00にハタラス大森林へ着いた俺は、予定通りキルアに連絡をした。


 ハタラス大森林はユーラキの外壁の周りにある大森林だ。木の高さはほとんど5mほどで高くはないが、ユーラキの外壁から2000mほど広がっており、面積は広いほうだ。


 「これより、任務を遂行する。」


 キルアが開発した遠距離通信魔法を使って報告した。この魔法は名前の通り、特定の相手の脳に魔法で作った信号を送り話ができる魔法だ。ただし、長く使うと膨大な魔力を取られてしまうが…。


 「了解」


 キルアの返事を確認し、ユーラキの外壁に目を見やる。森の中なので、向こうからは確認しずらいだろう。

 あと1000mのところまで来た。ここからはバレやすいのでトップスピードでユーラキの門へ向かった。


 20秒程で木々を躱しながら走り門へ到着した。その後わずか2秒で二人の門番を気絶させて中に侵入した。



 ユーラキも普通の国で街もある。時間が時間なだけに人通りは少ない。それに、以前ハステルトと密会した時に通ったような飲み屋街もこの近辺にはない。 



 ユーラキで暮らしたこともないため、道の名前などは全く知らないが、王城は見えるので行くのは簡単だ。


 足音を出さないように建物の屋根へ飛び乗り、そのまま王城に向かって駆けた。



 今のところ誰の気配も感じない。周りに気を張り巡らしながら屋根から屋根へ飛び移る。



 近くでみるとやはり王城はデカいな。夜間中の門番を狙撃するため、少し距離を置き目標の位置を確認する。

 人差し指で100mほど離れている門番へ狙いを定める。門の入り口に二人、門の奥の庭に五人いる。


 両方の人差し指でまず入り口の二人に狙いを定め、〈応用魔法〉遠距離用魔術【ショットサンダー】を打つ。

 雷属性であるが光の速度には及ばない。しかし音速は普通に超える速さではある。


 光の速度に匹敵するには生涯極めてやっと追いつくくらいだろう。


 この距離なら狙いを定めるのは容易く、一人は眉間、もう一人は側頭部を貫いた。


 声を出さないように始末したため、他のやつらは気付かない。

屋根を降り、門へ走り中へ入った。


 今回の任務はユーラキ国王()()である。



 


 

 


 

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