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八月

作者: 宇宙のサカナ

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純然たるこの青天の

何とも紅きを如何せん

塵埃たるこの八月の

夢も現も哀しきを


血潮の担う内なる熱気は

天道の担う外なる熱気は

この青天のヴェールとなりて

私の記憶のヴェールとなりて

あなたと過した歳月を

愛しさを以て抱擁するなり


純然たるこの哀しさは

不可視の細き臍帯となりて

この胎盤なる青天と

私をひとえに突き刺して

鮮血の如く溢るる愛しさを

あなたへ寄贈せんとするなり


空蝉となりにし八月は

私を遺して去る様なり

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