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勇者の相棒は森のクマさん  作者: タローラモ
6章 人類の敵
120/127

120 参上!その名は…

こちらは2話目です。

「会いたかったニャー」


「ヒヒーン」


 久しぶりの竜馬と再開を喜びあうホルン。こうして見るとデカくても何処か可愛らしさを感じる竜馬もオレの前だとプイッと顔をそむける。なんかしたか?ホルンに聞いても

「照れてるんだニャ」

と、言ってはくれてるがね…、よーわからんわ。


「おーいトラン、そっちの準備は終わったか?」


「おうよ。いつでも出れるぜ」


 やべぇ、ナバルに声かけてもらうまでボーっとしてたわ。なんかヤバイ事態になりそうだから気合入れ直さないとな。


スッパーーン!


「っ!痛てぇなクマ公!なにしやがんだ!」


「やれやれだぜテリオ君。気合だよ気合」


「全くわからねぇが覚悟アリってのはよくわかった」


 バカが襲ってきやがった。アホめ、ボードゥさん特注の(買ったの今まで忘れてた)聖銀(ミスリル)ハリセンの餌食(エジキ)にしてやる。


「キィエェェェ!」

「オラァァ!」


「テメーら遊んでんじゃねぇ!!」


 ナバルに怒られました。


……

………


 どーも皆さんお久しぶりです。

私、ベルゼイ・ファウストと申します。魔王都(ギルドラン)で冒険者ギルドのギルドマスターをやってます。そんな私なんですがね、実はまるっきりの悪魔なんですよ。そりゃあもう誰が見ても分かるほどの。

 ヤギと狼を足したような顔、青い肌、大柄な体にモッコリ筋肉。心臓の弱いお年寄りや幼い子供は要注意です。私を見た瞬間に事件現場になりかねませんからね。なんでそんな話をしているかと言うと…。


 私が隠れている草むらの先の街道で、ちょっと豪奢な馬車が黒ずくめの集団に襲われてるんですよ。

 怒号と剣戟、もうね、どうしてくれましょう。あ、馬車の護衛が斬られた。


「ホイ、『再生治癒(ハイヒール)』」


 切った黒ずくめはギョッとしてる。あらら、そんなスキ丸出しだと殺られますよー。ほら言わんこっちゃない。

 と、こうしてちまちま被害者?と思わしき側をコッソリと助けてるんですがね。え?なんで襲撃者が敵と判断したかですか?それは簡単ですよ。遠距離から『解析(ヴォトゥム)』でググったら黒ずくめの称号に


・暗殺者

・狂信者

人間族至上主義(ヒュームニスト)


って出ちゃったんですよ。アレですよ。人間族至上主義(ヒュームニスト)ってのは地球で言うところの『人道的』とは全く別物ですよ。別物というより真逆といったほうが正しいですね。

 こちらの世界は皆さんのような通常の『人間(ヒューム)』の他にも『エルフ』や『ドワーフ』、あとは『獣人』。変わり種では私などの『悪魔種』といった様々な種族がいるんですがね、その中の『人間(ヒューム)以外は『人』では無い』として差別、酷いとこでは虐殺までしでかす困ったちゃんなのですよ。とはいえそんな彼らも私達魔王の配下はじめ『三厄の王(マルムレクス)』の軍勢が睨みきかせてるんですがね。おかげでストレスマッハなのでしょう。そんな時は私みたいに野外で全裸(マッパ)になれば気持ちいいのに…え?私だけですか?おかしいですね。戦況ですか?そうですね…護衛側がやや押され気味ですね。ほー。あの男が要のようで。どれどれ…。


「ほい『解析(ヴォトゥム)』」


■■■


名前 ;ギュンター・ディミトリエ

種族 ;人間(ヒューマン)


戦闘能力;AAA

保有魔力;AA

保有能力;魔法剣

    ;上級剣術

    ;治癒魔法


称号 ;司祭

   ;執行者(エクゼキュート)総督官

   ;教皇の右腕



■■■


 …わーお。私、逃げてもいいですかね?魔の森でもないのにAAA(トリプルエー)がいるとは驚きですよ。

 …おや?敵対勢力の1人がコチラを凝視仕出しましたね。流石に魔法を連発してたら気づかれますか。やれやれ…。



ブンッ!


 黒装束の1人は草むらの一点にナイフを投擲した。


「いい加減目障りだ」


 男もこれで殺せたとは思っていない。だが、姿さえ見えてしまえばこちらのもの。目障りな獲物共々葬り去って…。


「フッハッハッハッ!

よくぞ見破りましたね私の位置を」


 茂みから勢い良く飛び出す『ナニか』。「貴様、何者だ!」の声に答えんと謎の人物はスタっとキレイな着地を決めると仁王立ちで現れる。


 顔は見えない。だが、青い肌の大きな身体は人では無いだろう。

 隆起する筋肉は威嚇するかのように躍動する。


 …そう、躍動している。あらゆる部分が。


 …

 …

 ズボン?で頭を隠し立派なブーツとプーメランパンツがやたらと目を引く。それもそのはず身に着けているのはそれだげだから。

 突如として現れた変態に動揺を隠せない襲撃現場。男は我に返ると叫んだ。


「き、貴様は何者だ!」


「私は…ゼンラーマン!



…あ、パンツ履いてた」





「脱ごうとするなぁぁ!!」





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