表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真夏の夜にラムネで乾杯  作者: ももひき
1/2

じめじめが終わる

梅雨が終わっていくのを感じたのは、いつの間にか傘を持たずに登校するようになった日のことだった。今までは、地面に残った水溜まりがなくなる前に新しい雨が降りだしていたけど、その日の地面はカラッと乾いていて水溜まりのことを気にかける必要もなくなっていた。曇りはまだ続いているけど、これから晴れて蒸し暑い日が続くことが予想できる。


僕は自宅から学校までを電車で通っている。


地元には歩いて通える範囲の高校もあったのだが、その高校は工業高校であまり進学向きではないということで、進学校である今の高校を選んだ。


電車に乗るのは嫌いではないため今の登校に不満はない。だけど朝のラッシュ時には制汗剤のにおいで溢れかえる車内にはどうしても慣れなかった。


今は電車から降りて学校までの道のりを歩いている。まわりには同じように登校している人たちもいて、賑やかな空気の中学校への道のりを進んでいた。最近まではこの通学路も水溜まりばかりで、避けるためにジャンプしながら進んでいかなければならなかったが、現在はそのようなこともない。かなりスムーズに通ることができるため、いつもより足取りが軽いように感じた。


どうやら今々考えてみると、通学路として利用するこの道は、まったく整備が整っていないと思う。確かに橙色を用いた歩道の見た目はきれいだけど、完成からかなり時間が経過しているらしく、所々に凹凸が目立つ。雨が降るとそこに水が溜まってしまうため、今までは行進を組んで歩く僕ら生徒たちは悪戦苦闘していた。


学年全体でまとまった靴箱のひとつに靴を入れ、青色のスリッパに履き替える。足元にしかれたすのこをトントンと進むと目の前にはすぐに階段があり、2階へと進んでいく。


僕のクラスは2階の一番隅に位置しており、移動距離がかなり長い。途中同学年のクラスを3つ越えて、そのまま理科室とその準備室、そして空き部屋と資料室も越えて、やっと自分たちのクラスとなる。


目の前には2年4組の札が見える。このクラスはどの学年にもひとクラスだけ存在する進学クラスで、少しだけ他の学科の人たちとは空間が作られている。別に隣どうしにしても問題はないと思うが、進学クラスができた頃にはこの状態だったそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ