三百四十七話
(´・ω・`)六章スタート まだ間空くと思ったな!? そうでもないんだなこれが
「もう行っちゃうんだ? せっかく闘技場も復旧して、またトーナメント開こうと思っていたのに」
「悪いね。どうやら思っていたよりも事態はよろしくないそうだ。この場所の封印は任せても良いんだね?」
「一応、取り壊すまでは私が管理する事になったからね。まぁじーやもいるし、並大抵の賊じゃあたどり着けないでしょ」
「そうですね。少なくともレイスクラスの人間でないと貴女を打ち破るのは不可能でしょう」
封印の確認から一夜明け。昨晩使わせてもらった屋敷から旅立つこちらをヴィオちゃんが見送る。
地下の封印についてはヴィオちゃんが管理するからと、封印に使われている魔力の一部も彼女が継承するようダリアが調整し、これで事実上の新領主となったのだった。
今日明日には地下牢の氷のオブジェも溶けるとの見込みらしく、そうしたら都市中を引きずり回して、名実ともに領主になった旨を周囲にアピールして回るそうだ。
もっとも、本来であればさらにセリューへと赴き、領主交代の報告と継承の儀式を行わなければならないのだが、今回はダリアが継承を儀を済ませたのでナシだ。
確実に、この後セリューでは大きな戦いが待っているのだから。
「ぐ……い、今なら私の方が強いかもしれないじゃん? お姉さん、出発前に少しやろうか?」
「ふふ、ごめんなさいヴィオさん、今はまだ勝ち逃げさせてください。急いでいますので」
「ちぇー……。じゃあ、セリューに向かうなら街道じゃなくて、途中の森を抜けると早いと思うからそっち使いなよ」
「ふむ、森に通り抜け出来るような道があったとは記憶していませんが」
「ほら、前に反乱起こして馬鹿達が作った道だよ。セリューの裏をかくつもりだったらしいけど、結局シュンに全員追い返されたしね。道だけ残ってるって訳」
「なるほど……分かりました。では封印の方はくれぐれもお気を付けください。解放者の人相書きは先程渡した通りですので」
「美人一人と青と赤の剣士ね。うーん……この赤青コンビは見覚えあるんだけど……正直私の敵じゃないよ?」
ヴィオちゃんにはもう一人の解放者、ミサトとその付き人二人の情報も渡してあるのだが、彼女曰く、両者とも剣闘士として戦っているのを見たことがあるそうだ。
が、以前どこぞの貴族に私兵としてスカウトされてここを引退した、と。
ヴィオちゃんなら実力的にも二人に負ける事もないだろうし、何よりも彼女は女だ。
ミサトの魅了により操られる心配もない、という訳だ。
「じゃあ、行ってくるよ。全部終わったらそうだな……今回のお礼に蟹チャーハンでも作るよ」
「マジで? だったら昨日作ってくれたらよかったじゃーん」
「いやぁすまんすまん。じゃあ今度こそ、行ってくるよ」
そうして、エルダインを後にした俺達は、彼女の言う森へと向けて出発したのだった。
道中、チセが『その道は私も通ったので案内出来ます』と言うので、御者席の隣へと座る事になったのだが、リュエが妙な気を回したのか『じゃあカイくんが御者をするから、二人で座っておくれ』としきりに勧めてきた。
……気持ちはありがたいのですが、凄く複雑です。気まずいです。そして仮にも俺、命狙われていた側だっていう事忘れていませんかね?
「…………」
「……」
そして案の定の無言。途中『そこの森からです。草原が踏み荒らされていますので、そこから入ってください』という言葉以来、お互いになにも口にしていないという状況だ。
まぁチセからしたら『自分が刺した相手に何を話せばいいのか』と思っているのだろうが。
「……質問いいかい?」
「はい、なんでしょう」
「セリューから来たのになんで最初にエルダインを狙わなかったんだ?」
「私が最初に目指したのはサーズガルドでした。国を直接落とす事が出来れば、面倒な封印の解放は後でじっくり出来る、という作戦だったんです」
「そりゃまた豪気な。じゃあ封印の方は完全にミサトに任せていた訳だ」
「あまり期待はしていませんでした。けれど、彼女はミササギの封印を解除しましたから」
「そしてその間に君はまんまとノクスヘイムを襲撃した……と」
我が妹ながら思考がぶっとんでいる。完全なる効率主義者だ。
「でもサーズガルドを諦めた、と。聞けば奴隷商人の馬車にいたそうじゃないか。何があったんだ?」
「サーズガルドの人間に負けた。ただそれだけです。まだあまり強くない時に無謀な事をした自分を恨みます。そして脱獄して、川に流されて例の男達に拾われたんですよ」
なるほど。時期的には俺達がサーズガルドにいた頃とあまり変わらないタイミングだったのかもしれないな。
「私からも質問良いですか?」
「ん? なんだい?」
「貴方は魔王らしいですが、何故命を狙われているのでしょう? 私が言うのもなんですが」
「君はなんでだと思う?」
「さぁ……魔王と言うくらいなら、魔物を従えて人間を攻めようとしているとか……」
「生憎、魔族も人間の一部、一種族に過ぎないからね。それに実際に王の位を持っている訳でも、国を治めている訳でもない。本当にただそう呼ばれているだけさ」
「……魔王っぽいのって事ですか」
「ぽいのって……ただ、殺すよう命じられる理由には心当たりがある」
ナオ君がそうだったように、チセがそうだったように。
「俺はね、七星を殺せる存在なんだ。封じるのでなく、殺せる存在」
「……それが、不都合だと?」
「だと思う。まぁろくでもないヤツだよ、その命じたナニかは。七星なんて居ない方がみんな幸せだろうに」
「……私もそう思います。益があろうがなかろうが、封印しなければならない危ない物であるには変わり在りませんから。そんな争いの種、無い方が絶対に平和」
ま、それは俺も同じ思いだね。日本人的思考とでも言うべきか。
「ところで……リュエさんやレイスさんはカイ君の恋人、お嫁さんなんですか?」
「いずれそうなると良いな、とだけ。今は家族だよ。理由あって俺達三人は家族なんだ」
言いながら胸が痛む。今隣にいる彼女こそ、俺の本当の意味での家族だというのに。
「……なるほど。家族なんですね。聖女ダリアは?」
「あいつとは腐れ縁。古い友人さ」
ヒサシも、小さいころからよく家に遊びにきていたっけ。
お前は人見知りで、俺の友達が来るとよく隠れていたな。
……こんなに近くにいるのに、お前はきっと今も、孤独感に苛まれているのだろう。
「……なぁ、名前教えてくれないか。さすがにちーちゃんが本名ではないんだろう?」
「あ……忘れていました。チセです。苗字を含めるとチセ・ニシダですね」
ふむ、まだ結婚はしていないのか我が妹よ。
「そうか。よろしくな、チセ」
「はい。短い間になるかもしれませんが、よろしくお願いします」
そうして森の中を進んで行く。
争いの痕跡がまざまざと残る森の中。顔色一つ変えずに前を見据える妹の姿に、かすかに胸が痛む。
だが、それでも興味深そうに時折周囲を見回しているあたり、少しは心の余裕も生まれてきてくれたのだろうか。
「元居た世界、日本とはそんなに違うのかい?」
「日本を知っているんですか?」
「ああ。君以外の解放者、ミサトじゃないぞ? 男の子を二人知っているんだ」
「男の子が二人……別な大陸で呼ばれていたんですか?」
「そうさ。それに俺は長生きでね、色々物知りなんだよ」
とりあえず予防線は張っておきましょう。
「あの……その二人は日本に戻る事が出来たのでしょうか」
「分からない。ただ一人は、この世界に身を置く事に決めているように見えたよ。もう一人は、使命を果たしたら戻る、と。今は何をしているんだろうかね」
「……そうですか。私は、絶対に戻りたいです」
「ああ。俺も協力は惜しまないよ」
森を抜けるまで、もう二日はかかるという。
この日は日が落ち始めてすぐに野営の準備に入る事にし、明日は早朝から出発しようという話になった。
ここ数日でめっきり気温も上がったので、少しでも魔物や自分達の負担を減らす為に、という理由なのだが。
野営地は幸いな事に、以前の反乱の名残なのか、開けた場所を見つけそこでする事に。
チセ曰く、この辺りは夜になると魔物が活発になるので、眠る時は木の上が良い、という話なのだが――
「あれ? ちーちゃんこの魔導具知らないのかい? 魔物避けの簡易結界を発生させてくれるんだけれど」
「……そういう道具の知識はありませんでした」
「自分達の都合で呼び出しておいて、旅の基本も教えずに放りだすなんて……大変でしたね、チセさん……今日は安心して眠ってくださいね」
「いえ……私が向こうの予定を無視して飛び出したので」
……妹がなんかすみません。
「さて、じゃあ今日の晩御飯はどうするかね」
「あ、私のアイテムボックスに以前頂いた茹でたジャガイモが沢山入っているので、お返しがてら食べましょうか」
まだ湯気の出ているジャガイモを取り出す我が妹の姿に、一同が哀れみの目を向けていた。
そうか……君はそうやって食いつないできていたのか……。
「本当に助かりました。この芋のお陰で、エルダインで薬を盛られる事もなく過ごせましたよ。まぁ……お酒には一度混ぜられてしまいましたが」
「……カイくん。今日は御馳走いっぱい作ってあげておくれ……」
ひもじい食生活経験者のリュエが、強い意志を秘めた瞳でそう語り掛けて来た。
よしきた。たまには美味しい物を食べて、もう少しばかり心の余裕を取り戻してもらいましょう。
「チセ、何か食べたい物はないか? 幸い、俺のアイテムボックスはほぼ食べ物で埋まっている。なんでも作ってやるぞ」
「そうなんですか? 料理も出来るんですか?」
「そうだよ、カイくんは料理のプロなんだ! なんでも言ってごらんよ、絶対に作ってくれるから」
「ふふ、私もお手伝いしますよ。遠慮せずにおっしゃってください」
なんとも不思議な気分だ。またチセのリクエストを受ける日がこようとは。
さぁ、何が食いたい。今のアイテムボックス事情ならば、たぶん地球の料理の大半は再現可能だぞ。
するとチセは少し考えた後に、あるリクエストをした。
それは至極簡単な物で、同時に……凄く懐かしい物だった。
「パスタ、パスタならなんでも良いです」
「パスタって、種類も多いし何かないのか? ミートソースとかカルボナーラとか」
その瞬間『しまった』と思わず口を噤む。
今のやり取り……以前俺が地球でチセとやったやり取りと全く同じではないか。
いやまぁ、結構な頻度でこのやり取りをしていたのでこちらもほぼ癖になっていたのだが。
すると、どうやら向こうも同じ事を思ったのか、少しだけ悲し気に目を伏せながら笑みを浮かべていた。
「……やっぱり、料理が得意な人ってこういうリクエストをされると困るものなんですね」
「ま、まぁそうだな。いわば何食べたいか聞かれて『食べられる物』って答えられるようなものだからね」
「……なるほど。では……ペペロンチーノでお願いします」
「了解。じゃあ他にも適当に何か作るから、チセはダリアと一緒に結界魔導具の設置を頼むよ。一応、護衛もかねてね」
「分かりました」
遠慮しているのだろう。一番簡単なメニューを頼むなんて。
確かにパスタならなんでも好きだったが、中でも好きなのはタラコパスタとジュノベーゼだったはず。まぁさすがにたらこのパスタは難しいのだが。
「ま……最初はパスタって言われたんだ。なら作れるパスタは全部作ってみるかね」
どうせソースを複数用意すればいいものが大半なのだから、ちょっと気合入れて同時進行で調理開始しましょうか。
夕日が森を照らす頃には、野営の準備は全て終わり、ダリアは読書を、そしてレイスも後は手伝わなくても大丈夫だからと、今はリュエと一緒にチセとガールズトークに興じている。
まぁこっちから見た限り、一方的にリュエが質問をして、それにチセが答えている形のようだが……下手な質問はしないでくれよ、リュエ。
「気になりますか?」
「ダリア……まぁさすがにな。そっちはどうだ、記憶の中にはあいつの事もあるだろ?」
「ええ。私が最後に見たのは……彼女が高校というところに通っていた時ですが」
「そういやそうだったか……今幾つなんだろうな、あいつ」
「ふむ。私が後で聞いておきましょう。カイヴォンがこっちに来るときは確か……」
「大学三年だ。たぶん、もう社会人になっているんだろう」
「……複雑ですか、やはり」
「そうだな。お前も気になるんじゃないか? 自分があの世界、地球ではどういう扱いになっているのか、とか」
「……残念ながら、私達は貴方と違いこちらで生きた年月が長い。そういう感情はとうの昔に消えてなくなりました」
「そうかい」
そうして仕上がっていくパスタたち。
一品ずつは少ないが、種類はたっぷり用意してある。
『ジュノベーゼ』『ミートソース』『ナポリタン』『ボルケッタ入りのペペロンチーノ』
『カルボナーラ』『ボンゴレ・ビアンコ』『トマトとスモークサーモンの冷製パスタ』
『カボチャのニョッキチーズソース』『マカロニサラダ』『ダリア用素パスタ』
これだけあれば御馳走と呼べるのではないだろうか?
「お前の分これな」
「どぼじでぞういうごどずるのおおお」
「オインク乙。いや冗談だから。味が濃すぎたらこいつで調整して欲しいって事」
「なるほど。それにしても良くこれだけ作れましたね?」
「一部は同じ材料だし、色々スープストックとかソースストックも収納してるんでね。そこまで苦労はしてない」
「なるほど。ただ……味でチセが何か感づいてしまうのでは?」
「そいつも対策済みだ。こりゃ家で作ったレシピじゃない。全部外部のレシピで作ってある」
「……本当器用ですね」
まぁ、多少の癖は出ているかもしれないし、家で作る時にこいつらを参考にもしていたので、微かに似る事もあるが、そんなもん同じ料理を作れば誰だって多少は似るさ。
パスタ達をテーブルに運び、今度は近くのひらけた場所で身体を動かしている彼女達を呼びに行く。
どうやら組み手をしているようで、今はリュエとチセが木剣片手に接戦を繰り広げていた。
「カイさん。凄いですよ彼女、弓なしでは私では勝てませんでした」
「そこまでなのか……見たところリュエ相手にも善戦しているようだけれど」
「あれで三戦目です。物凄く覚えが良いみたいで……こういう言い方は好きではないのですが……彼女は天才です。恵まれた身体だけでなく、身体を動かす事そのものに適正があるように見えます」
「……運動神経がずば抜けて良いって訳じゃなかったんだがなぁ」
「いえ、そうではなく……相手を倒す事においては天才です、と」
……はは、そりゃ凄い。日本にいた頃は格闘技に微塵も興味がなかったはずが、まさかこっちの世界にきてからそんな才能が開花するとは……。
リュエの木刀がチセのそれを弾き飛ばし、それが勢いよく近くの木に突き刺さったところで試合が終わる。
おいおい、随分本気だったんじゃないか二人とも。
「はいそこまで。二人とも食事の用意が出来たよ」
「あ、ごちそうだね!? 行こうちーちゃん、カイくんのごはんは本当に美味しいから!」
「……はい……少し、息を整えてから向かいます……元気すぎです……」
虚空から飲料水を取り出し、激しい呼吸を繰り返している彼女に差し出す。
「ありがとうございます」
「……随分と熱が入っていたね」
勢いよく水を飲み干した彼女が、ボトルを差し出しながら応える。
「はい。強い人がとれくらい強いものなのか知りたくて、つい」
「うちのリュエさんは世界でも屈指の強さだからね。ちなみに俺は世界最強のはず」
「……そうなんですか」
「え!? 本当にパスタ、それもこんなに種類を作ったんですか!?」
「パスタっていうくらいだし、どれも好きなんだろうなって思ってね」
「うわぁ、凄いね。全種類少しずつ取って食べよう!」
「あ、ミートソースですね? ちょっと多めに頂きます」
「私はこのボルケッタのペペロンチーノを。やはり、これは美味しいですね。ワインを頂いてしまいましょうか」
お待ちかねの夕食の時間。テーブル狭しと並べられたパスタを前に、ようやくチセが表情をかすかに明るくする。
そしてリュエが全種類を取り分けチセに渡し、皆に行き渡ってのを確認していただきます。
んむ、とりあえずジュノベーゼは完璧だ。贅沢にマスカルポーネチーズと松の実を使ったからだろうか。
オイルはエキストラバージンオイル、しかも産地がノクスヘイムなので鮮度抜群だ。
「カイくんこの緑色のパスタ美味しいねぇ、初めて食べる味だけれど」
「だろう? 良い素材ばかりで贅沢に作ってみたぞ」
「ミートソースも随分と美味しいですね……贅沢にスパイスを使っているのが分かります」
「煮込む時にナツメグを多めに入れたのと、ひき肉と一緒に牛の尾を入れているんだ。トロトロでおいしいだろう?」
「このボッタルガのパスタも以前よりも美味しいですね……香りが違います」
「そりゃ塩が違うんだな。あの海で取れた塩を使ってる。いつもは岩塩ばかりだが、ボッタルガとの相性を考えるなら、少し藻の混じった粗塩の方が美味しいんだ」
出来るだけ、家庭では真似できない味を心がけて作った料理達は、やはり皆にも好評だった。
そして肝心のチセの様子を見ると……。
ああ、良かった満面の笑みだ。まだ心は死んでいない。それだけは確かだ。
「す、すっごく美味しいです……こんなの食べた事がない……ええ……本当に」
「それは良かった。おかわりも沢山あるからね」
こうして、チセを交えた最初の野営を無事に終える事が出来たのだった。
二日後。森を抜け、街道に出たこちらの鼻に、微かに海の香りが混じる様になった頃。
道の遥か先に、ぼんやりと大きなシルエットが姿を現す。
まるで、ディズニー〇ンドを遠くから見ているような、そんな姿。
曰く、セリューは南端の海に面しており、普段はノクスヘイムから定期便の船が出ており、そちらを使うのが一般的なのだとか。
まぁエルダインから向かう人間が少ないのも頷ける。そもそもあそこに行く人間が稀なのだから。
「セリューが国だった頃の名残です。あの王城がある意味では、今の共和国の象徴とも言えるんですよ」
「なるほどね。さて、向こうに着いてからの行動だが……どうするつもりだ?」
「……チセさんはどこかに身を隠した方が良いでしょう。私と一緒では都合が悪い」
「確かにそうですね……では私がチセさんに付いていましょうか?」
「そうしてくれると助かります。リュエもチセとレイスの警護を頼みます。それとカイヴォンは……戦闘に備えて私と一緒に来てください」
「……やっぱり戦いになるんだな?」
「そうならないように善処をしますが……無理でしょうね。カイヴォン、万全の対策をお願いします。相手は私に“龍魔導”を教えた達人ですから」
「そいつがどういう物なのかはしらないが……安心しろ、相手が龍に関わりのある存在なら、億が一にも俺は負けんよ」
そうして俺達は、恐らく大きな戦い、そしてもしかしたら七星と戦う事になるかもしれない、この大陸の最南端にして、この旅の目的地であるセリュー領に足を踏み入れたのだった。
(´・ω・`)こんげつ29にちに7巻が発売ですん そして25日からはまた8巻の改稿作業が始まるのでちょっとペース落ちます。