表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/414

二十一話

 一つ話を飛ばしたので投稿しなおし

 もう見ちゃった人は一つ前の話を見てね

(´・ω・`)お願いね

「オインク! 会いにきてくれたんだな!」

「ええ。今日は女同士で語らいましょう」


 昨日、カイくんは戻ってきた後、なんとも言えない表情のまま眠ってしまい、今日も早朝から出かけてしまっていた。

 私もカイくんが出かけて暫くしてからようやく身体が動いてくれたのだけれど、とくに出かける用事もなく部屋でのんびりと時間を過ごしていた。

 そしてそこへ、オインクが私に会いてきてくれたのだった。


「さぁ入っておくれ。何もないけれども」

「ではこっちのベッドに……もしかしてぼんぼんのベッドかしら?」

「そうだよ?」


 随分と女らしくなって、凄く美人になったかつての友人の姿に、少しだけ危機感を覚える。

 私も少しは見た目に拘るべきなんだろうか?


「同じ部屋……だと……」

「オインク、今まで何をしていたんだい? 色々聞かせておくれよ」

「そ、そうですね。じゃあ今の仕事について――」


 ついでにカイくんにどう接したらいいか聞いてみようかな?

 私はもう、家族みたいな扱いだと思うけれど、本当は――










「これ、どうしたもんかね……」


 今朝、少しだけ嫌な夢を見た。

 内容はよく覚えていないが、酷く呼吸が乱れ、頭が正常に働いていなかったと思う。

 それがオインクから親友の話を聞いた不安からくる物なのか、はたまた『あの廃鉱山で手に入れた物のせい』なのか。


 俺はあの時『悪食』をセットしたまま『彼女』を壊した。

 もはや人ではなく、物として認識されてしまっていたのにも関わらず、同時に討伐扱いもされていた。




【Name】  カイヴォン

【種族】  人間

【職業】  奪剣士 拳闘士

【レベル】 399

【称号】  救済の魔王

      神を泣かせた者

      龍帝屠りし者

      魂の解放者 ←NEW


【装備】

【武器】奪命剣ブランディッシュ  ←NEW

【頭】なし

【体】旅人のコート(黒)

【腕】レザーガントレット(黒)

【足】レザーグリープ(黒)




【プレイヤースキル】闇魔導 ←NEW 氷魔法 炎魔法

          剣術 長剣術 大剣術 簒奪

          格闘術

【ウェポンスキル】 『生命力極限強化』

          『悪食』

          『龍神の加護』

          『簒奪者の証(妖)』

          『簒奪者の証(闘)』

          『コンバードMP』

          『五感強化』

          『怨嗟の共鳴』 ←NEW

          『』 ←NEW

          『』  ←NEW


 ステータスを確認して目を疑った。

 長年愛用していた相棒が進化し、そしてアビリティが一つ増えていた。

 それだけじゃない、武器が変化した影響か、セット可能なアビリティの枠が2つ増えていたのだ。

 称号も増えていたし、闇魔法がいつのまにか闇魔導に進化していた。

 そして何より驚いたのが、武器のステータスだ。


『奪命剣ブランディッシュ』

『簒奪者の罪によりその姿を変えた魔剣

 呪いを奪い、怨嗟を奪い、救われぬ運命すら奪い、果てには世界の理をも奪い取る

 いつか全ての命をも奪い取るのだろうか?』


【攻撃力】666 闇属性

【魔力】 666



 ついに武器自体の攻撃力が上がったのは嬉しいが、名前と説明文が物騒な事になっていた。

 そして何よりも数字が物騒である。

 これは早い所悪食の力で数字をかえてしまわないと。


 この変化の原因だが、恐らくアレを剣が喰らった結果だろう。

 明らかに呪いを秘めていそうだったからな。

 そして、手に入れたアビリティの効果がこちら。


『怨嗟の共鳴』

 自分の周りで敵を倒した場合、その場に留まる限り攻撃力が上昇する。

 ただし時間経過により徐々に精神が汚染されて行く。


 恐い。

 長期戦になるほど強くなっていく反面、自分もリスクを負う諸刃の剣である。

 幸い『龍神の加護』を併用する事によりデメリットを消すことができるだろうが、正直使いたくない。

 そもそも既に火力過多だったにも関わらず、武器の進化でそれに拍車がかかった訳だし。


「まぁいけるとこまで強くなるってのも楽しいけれど」


 そのうち剣がかするだけで相手が消し飛ぶ、なんて事になるんじゃないのこれ。


「しっかしどんどん見た目が魔王の武器っぽくなるね君も」


 元々、黒くて細長いシンプルな見た目が気に入って使っていた奪剣。

 それが今では、構えると黒いオーラを纏い、剣表面の黒色がうっすらと赤みをおび、そして羽根の皮膜のような模様が刻みこまれている。

 完全に魔剣と呼ぶに相応しい姿だ。


「これはこれで格好いいんだけどなぁ」













「というわけで、私はもう女として見られていないんじゃないかと思う訳だ」

「……なんて贅沢な悩みなんでしょう」

「何か言ったかい?」


 私の悩みを彼女に打ち明けた。

 あんまりカイくんにベタベタしすぎたせいか、私を女として余り見ていないような気がする。

 よくて姉のような、家族程度の気の使われ方だ。

 同性の彼女ならばきっといいアドバイスをしてくれるだろうと思ったが、どうやら難しい問題らしく彼女も難しそうな顔をしている。


「まず、距離を詰め過ぎたのが原因かと。今からいきなり距離を取るのもおかしな話ですし、何気ない所で自分からぼんぼんを意識しているように動いてみては?」

「た、たとえば?」

「まず、同じ部屋をやめましょう。けれども頻繁にぼんぼんの部屋を訪れて、ちょっと近くに腰掛けてみたり……?」

「お金がもったいなくないかい?」

「そういう考えを捨てて下さい」


 む、むずかしい。

 しかし試してみる価値はあるかもしれない。

 私としても、そろそろカイくんが色んな意味で苦しそうだと思っているのだし、同じ部屋でなくなるのは何かと彼の為にもなるかもしれない。

 ……さぁ、ちょっと聴力が上がる装備を探そうか。


「何にやけ顔してるんですか」

「い、いや!? そんな事ないよ」

「とりあえず、今はゆっくり一緒に旅をするにかぎります。恐らくぼんぼんはこの先、大変な道を進む事になるでしょうから」

「……それはどういう意味だい」


 唐突に、真剣な声色で言われる。

 昨日二人で話した中に、そんな内容が含まれていたんだろうか。

 私はまだ何も聞いていないけれども……。


「ぼんぼんならどんな事があっても大丈夫だと思います。けれども、横にいて支える人がいないとどんなに強い力があっても心が耐えられません」

「そうだね。一人でいる辛さは、私もよく分かるから」

「そう、でしたね。ですから、今はただ側にいてあげて下さい。大丈夫、ぼんぼんはリュエの事、きっと好きですよ。理由は言えませんけどこれだけは絶対です」

「そそそそ、そうなのかい!? カイくんは私が好きなのかい!?」

「少なくとも外見は?」

「な、なんだそれは」


 あ、でも初めて私がローブを脱いだ時とか、ちょっと呆けていたっけ。

 これはつまり『つかみはおっけー』っていう奴じゃないのかな?


「私も協力しますよ、色々と。だからリュエもぼんぼんの近くにいてあげて下さい。たとえそう――」


 最後にオインクは、不吉な事を言った。

 それは私の覚悟を試す物だったのか、それとも……。


「たとえ彼が、この世界全てを敵にまわしたとしても」

(´・ω・`)許してください! なんでもしますから!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ