八章~十章の主な登場人物
(´・ω・`)約一年間におよぶサイエス編の登場人物をまとめています
8~10章で登場した主な登場人物。
カイヴォン/Kaivon(仁志田吉城)
この物語の主人公。
セミフィナル大陸の首都である『サイエス』に到着してからは、変装もかねて長髪の先端部分を一纏めにしていた。本人は料理がしやすいからと、結構気に入っていた模様。
どういう訳か、サイエスに到着してからの彼の心が不安定になり、様々な問題を起こしそうになっていた。
中でも、レイラに対して行った行為は少々度が過ぎていたと自覚している。
自分の弱点を点かれてしまい、渋々ながらもレイラと和解。
他にも、確執のあったレン君一行の勝ち気娘こと『アイナ』にも料理を教えていた。
また、七星杯に出場するために様々な策を講じた訳だが、結局他の出場選手に悪いからと、珍しく自分の欲望を取り下げた。
そして、最後に待ち受けていた七星『プレシードドラゴン』との戦いにおいて、浅くない心の傷を負ってしまう。
まぁ、本人は丸一日レイスの豊満な身体を堪能し、彼女の芳しいフェロモンを吸い込んだのですっかり癒やされているのだが。
リュエ・セミエール/Ryue
この物語のヒロイン。断じて娘や妹ではない。
カイヴォンやレイスに対する甘えん坊っぷりが徐々に増してきているエルフさん。
これまでで一番大きな街と大きな祭に毎日はしゃいでいた。
そして、成り行きのままあれよあれよとミスコンに出場する事になってしまった。
そこで彼女は、自分がサーディスの人間にどのように思われているかを知る。
が、彼女は持ち前の不屈の精神でそれを跳ね除け、見事にミスコンで優勝を果たす。
凄いね、本当にヒロインだったねリュエさん。
その後、オインクからの依頼でエキシビションマッチに出場する事になる。
カイヴォンに辛く当たるアルバに対し、どうすればいいのか分からず、ただギルドに所属する先達として『白銀持ちとはどうあるべきか』を示そうとした。
結果。アルバは手も足も出ずに敗北。少しだけ態度を軟化させた。
また、自分の前の前でカイヴォンの悪口を言われた際、自分はどうすればいいのか分からず、感情を持て余してしまっていた。どうやら、少しだけ彼女は負の感情に対してどう対処すればいいのか分からない、不安定な部分があるようだ。
レイス・レスト/Raith
この物語の二人目のヒロイン。セクシー担当のお姉さん。
すっかり旅にも慣れ、サイエスについてからは珍しく自分から『屋台大会に出たい』『闘技大会に出たい』と自分のしたい事を口にするようになった。
しがらみから解放され、以前よりも活発的になったみたいです。
が、その内心には様々な思いを抱え込んでいた。
『自分は、リュエやカイさんの隣に並ぶことが出来るのか』『オインクさんの方が相応しいのではないだろうか』と。
彼女自身の戦闘能力は間違いなく一般の人間を遥かに引き離すものではあるのだが、やはり人外の扉を開いている人間が側にいるせいか焦りが生まれてしまっていたようだ。
結果、今の自分を見つめ直し、そして腕を磨くために闘技大会に出場したのであった。
だが、そんな彼女の不安を晴らすような助言を与えた少女との出会いにより、少しだけその心が軽くなる。
『自分だけの景色を、側で伝えてあげる』という、彼女だからこそ出来るその役目。
そして、その自信を胸に秘め、大会に望んだ彼女は見事優勝を果たしたのだった。
だが、その直後に現れた七星『プレシードドラゴン』により瀕死の重症を負わされ、更に治癒の施しようのない、寄生体を埋め込まれてしまった。
結果。一度彼女ごと寄生体を殺し、彼女だけを蘇らせるという方法をとったカイヴォン。
なお、復活の後丸一日カイヴォンに抱きしめられて過ごした彼女は、内心『本当にもう死んでしまうのではないか』というくらい心臓が脈動していた模様。
暫くは悶々とした夜を過ごすことになりそうです。
オインク・R・アキミヤ/Oink(秋宮涼夏)
この物語の第三のヒロイン……にはなれなかった女性。
ワイズマン的立ち位置だった、元ゲームプレイヤーの友人。
カイヴォンに密かに想いを寄せていたが、既にリュエとレイスと共に歩むことを決めている姿を見て、自ら身を引いた。
だが、これから先の未来へその思いを抱えたまま進むのは余りにも過酷だと、そして彼女の思いをそのまま風化させるのは不可能だと気がついたレイスにより、自分自身に決着をつけさせる為にもカイヴォンに思いを告げるよう説得した。
つまり、レイスからすれば『敵に塩を送る』ようなものであり、だからこそ彼女は『下味をつける』と表現したのだった。
元々、他人を見下す悪癖、そしてなんでも損得勘定で物事を図るという自分を見せまいと、ゲーム時代は豚面を被り、オインクという人格を生み出していた。
だが次第に、その素直な在り方に彼女自身が感化され、今のような強かで、そして優しさを併せ持つ人物へと至った。
そこに至るまでは、もちろん多くの出会いを経験していたのだが、その中でもKaivonとの出会いは格別だったようだ。
自分に匹敵する二面性を持つ性格と、苛烈でいてどこか甘い彼に、今と過去の自分を重ねていたのかもしれない。
やがて、共に過ごす時間が長くなるにつれ、いつしか彼女はカイヴォンの事をもっともっと知りたいとのめり込んでいったのだった。
全てに決着を付けた彼女は、これから先セミフィナル大陸を良い方向へと導くため、辛く険しい道を歩んでいく事になる。
だが、カイヴォンの残した様々な影響が彼女の背中を押してくれる事だろう。
また……彼女には一つ最後の賭け、悪あがきのような企みがあるようだが――
それはきっと、この物語では語られない。次回作に乞うご期待。
アルバ
セミフィナル大陸の冒険者ギルドに所属している、新人の白銀持ち冒険者にして、中央議会の冒険者代表議員。
二七という若さで白銀に至り、そして多くの支持者に支えられて議員となった。
だが、その頃から彼の悪い噂が囁かれ始めたのだった。
原因は、アーカムとの接触。彼に唆され、より高みへ、やがてオインクの隣に立てるようにと、独自の帝王学を彼に叩き込み、洗脳した。
結果、自分の派閥だけを優遇し、そして手柄を全て自分のものにするよう働きかけていた。
またオインクに対して親愛以上の感情を持っていたため、彼女の隣で仲睦まじい様子のカイヴォンに対して、並々ならぬ憎悪を抱いていた。
その結果、オインクの策略により、大衆の面前で大敗を喫したのだった。
自分の実力を知り、そしてカイヴォンという存在がどういうものなのかを知った彼は、すべてを諦め、更生の道を歩む。
まず手始めとしてエンドレシアの氷霧の森へと派遣される事になったのだった。
パンケーキ屋の店主
屋台コンテストにおいて、優勝候補筆頭と目されていた店の女主人。
絶妙な焼き加減、生地の配分、そして隠し味のドングリに定評があったのだが――今回の大会では、より相性のいいアーモンドへとこっそり素材を変えていた。
ルール違反をしていた事を自ら告白し、準優勝を辞退した。
尤も、そんな手段に出てしまったのは、どこぞの鬼畜執事が悪劣極まりない集客方法やメニュー構成で独走状態を築き上げたのが原因ではあるのだが。
仕方ないね。あの人この街に来てから色々歯止めが効かなくなっていたし。
ドーソン
首都サイエスで妻と娘と三人で暮らしている冒険者。
元々エンドレシアにまで足を運ぶような活発な人間だったのだが、ある時魔物の攻撃から味方の冒険者を庇い、以来遠出や肉弾戦を長時間行うことが出来なくなってしまった。
その後は地元を中心に活動し、そしてあの時かばった冒険者と結婚し一人娘に恵まれた。
類まれなる筋力と(長時間運用不可)、しなやかな足腰。頭の回転も速く、魔法師としての実力も中の上。
突出した能力はないものの、そのバランスの良さから長年中堅冒険者として周囲に慕われていた。
だが、カイヴォンやレイス、そしてヴィオといった格上の人間に揉まれているうちに、その才能が開花。上を狙おうと足掻いてみようと心に決めたのだった。
結果、娘の為に腹を括った父の力を存分に発揮し、大会にてレイスをあと一歩のところまで追い詰め、封印していた魔弓までも使わせたのだった。
また、同い年で同性という事でカイヴォンとは良き友人となっていたようだ。
ヴィオ
サーディス大陸にある『セリュー共和国』からやって来た獣人とエルフのハーフ。
カイヴォンの中では『四つ耳少女』として定着してしまっている。
どうやら、サーディスにて五本の指に入るほどの実力者らしく、手応えのある相手と戦う事を何よりもの楽しみとしているようだった。
ギルドの特別訓練施設の利用を許可されたカイヴォンに目を付けて組み手を挑んだところ、見事に敗北。
彼女は飄々と対応していたが、内心は『なんだこの化物は』と戦慄していたようだ。
恐らく、レイスが魔眼に目覚めていなければ勝てなかった相手。
その実力はセミフィナル最強のリシャルに迫るほどだった。
また、レイラとも顔見知りのようで、どうやら王族に顔を覚えられる程度には有名な人間だったようだ。
ちなみに好物はカニチャーハン。
謎の少女(太陽少女)
物語にちょくちょく登場する小さな女の子。
口癖が『はむ』大きな麦わら帽子と、黄色いワンピースがトレードマーク。
若干世間知らずで、お金の稼ぎ方も分からなかったようだが、たくましく日々を過ごしていた。
ちなみにリュエのお気に入り。見つけるとちょくちょく抱きしめに行ってる模様。
レイニー・リネアリス
神の如き力を持つ錬金術師。
魔術式の中や、異空間や亜空間といった、現世とは異なる狭間の世界にのみ存在が許されている謎の人物。
その正体は、旧世界と呼ばれる、神隷期(ゲーム時代)よりも更に昔の世界の住人。
何者かによりその存在を封じられ、ひっそりと現世の魔術の発達に合わせて助言、助力をして過ごしてきた。
リュエが考案したとされる龍神の封印術式の完成にも、彼女が関わっているとされる。
また、アイテムを転送する術式も彼女の助力なしには完成しえなかったようだ。
その関係上、実はクロムウェルとは顔見知りだったりする。
彼女の支配下にある空間内であれば、まさしく神に匹敵する力を行使する事が可能であり、不可侵だと思われていたカイヴォンのステータス画面にまで侵食してみせたのだった。
また、長い時を生きている関係で、その実力は他を遥かに引き離すもの。
魔術、魔法、魔導に加えて旧時代の剣術や魔術との融合。さらに得意分野である錬金術や術式による付与等、まさに万能お姉さん。
ちなみに、少しだけレイスに似ているがそれにとくに意味はない。
恐らく、作中での彼女の強さはカイヴォンに匹敵するだろう。
(互いに万全の対策を取った場合はカイヴォンが勝つが)
また、彼女は世界に様々な特殊なアイテムを配置しているようで、その存在がやがてカイヴォンの助けになると予見した。
まだ、彼女には秘密があるのかもしれない。
ゴルド議員
セミフィナル大陸におけるギルドの副長のような役割を持つ議員。
議員に選ばれる少し前に冒険者を引退していたのだが、オインク不在の際は代理としてギルドをまとめ上げていた。
かつては、リシャルの次に強く、大陸一の力持ちとされていたのだが、老いには勝てなかったようだ。
地元を愛し、自分の身分など気にもせず、地域の祭に参加したりと住人からの信頼も厚い。
また、若い頃駆け出しの冒険者だった時代に、彼を含めた新人の教育係としてレイスがついていたらしく、淡い恋心を抱いていたようだ。
その恋心を利用して腕相撲に勝利した外道がいるらしい。
リシャル・リーズロート
セミフィナル大陸最強の冒険者と呼ばれていた槍騎士。
かつて王家の近衛騎士とし、召喚された解放者イグゾウの従者として共に戦い、そして七星の解放に尽力した経歴を持つ。
魔族至上主義の時代に、ハーフエルフの身でありながらそこまでの地位に上り詰めたのはひとえに彼の実力のなせる技だった。
イグゾウ亡き後は任を解かれ再び王家に仕えていたが、その在り方に疑問を懐き、そして亡きイグゾウの息子に力を貸す為に王家に反旗を翻した。
戦争初期の頃は、王国軍を率いてアルヴィースに攻め入り、当時そちらの冒険者を束ねていたレイスと争った事もあったという。
イグゾウから譲り受けた『神槍フリューゲル』を巧みに扱い、見事カイヴォンを追い詰めてみせたが、戦いの最中に珍しく主人公補正で『成長した』為、全ての技を発生前に潰すという離れ業を使われてしまい、それがきっかけで敗北してしまう。
吉田伊久造
作中きってのバグキャラ。
解放者特有の恵まれたステータスに加えて、元々の彼のスペックの高さ。
そして何よりも彼は『世界に愛されていた』。
それにより、通常よりも遥かに強力で希少なスキルを手に入れた。
彼が世界に愛された理由はただ一つ『人々の為に自ら大地を癒そうとした』。
つまり、土壌改良が世界そのものに評価されたのである。
カイヴォンがもしも『フォースドコレクション』を習得していなければ、間違いなく作中最強はこの人だった。
毎秒全ステータス+0.5%はさすがに卑怯である。
彼は気がついていた。自分が解放した七星がやがて自らが救いたいと願っていた大陸を蝕む存在だという事を。
故に、彼は七星の封印を行っていた存在に『自分が死んだら、少しの間でいいからお前と同じ狭間の世界に置いてくれ』と懇願した。
彼はその代償として、自分の息子に力や加護を残すことが出来なかった。
彼の息子が若くして他界したのはその影響。が、元々戦争中に大怪我を負っていた事も起因している。
彼が自分の願いを託す条件として定めたのは、
『自分の伝えた技術が後世に残っている事』
『魔族やそれに毒された人間が来ることが出来ないよう、自分の言葉を理解出来る人間』
尤も、彼の残した文章は息子や孫娘、そして日本出身のオインクですら読めない難解なものであったのだが。
そう考えると、同じ場所からやって来たカイヴォンが彼と出会うことが出来たのはある意味奇跡とも言える。
カイヴォンとの邂逅を果たし、そして目の前の相手が自分の意思を継いでくれる事に安堵した彼は、ようやく肩の荷が降りたと、最後に自分の故郷の酒に似た味の『絆』を飲み干し成仏した。
謎の道化師(使徒)
詳細不明ながらも、恐らく世界に元から存在する神の使徒。
『見えざる神』や『レイニーを封じた存在』とも異なる、本物の神の使徒。
何故あんな姿だったのか、それは誰にも分からない。
レイラ・リュクスベル・ブライト
サーディス大陸の半分を占める国『サーズガルド』の王家の血を引く女性。
その出自故にカイヴォンから猛烈な敵意を向けられ、心無い言葉をぶつけられ、果てに暴行を受けてしまう。
だが、彼女がリュエに向けてはなった言葉の数々は『上から目線で弱者を憐れむモノ』ではなく『同じ境遇でも前を向く相手への羨望のモノ』であった。
サーズガルドでは白髪や、それに近い色の髪色のエルフは疎まれており、彼女は王家の血を引きながら極めて淡い髪色を持っていたのであった。
それを長年隠しながら過ごしていたが故に、自分以上に白い髪を持ちながら堂々と振る舞うリュエに近づきたいと願い、言葉をかけていたのだ。
それを知らずに暴行を働いてしまったカイヴォンは、後悔をしつつも、それでも『ブライトの血を引いているのには変わらない』と、憎しみと申し訳無さが混ざった不思議な感情を向けていた。
料理上手であり、それを武器になんとか再びカイヴォン、そしてリュエに近づこうとオインクと共謀し、見事二人に受け入れられた。
が、暴行の後遺症か、少々おかしな性癖に目覚めてしまっている。
レン/伊月 蓮
エンドレシアで召喚された解放者。
貴族に利用され、そしてカイヴォンとの戦いに破れた彼は、これまでの行いのツケを払う形でギルドから重い罰則を受けることになってしまった。
その内容は『ギルドの依頼を受ける事が出来なくなる』というもの。
従って、彼は金銭を稼いだり、ギルドの評価の指標となるポイントを依頼で稼ぐことが出来なくなってしまい、個人で魔物の部位を換金する事でしかそれらを稼ぐ事が出来なくなっていた。
そして、見つからない七星の痕跡を見つけるため、かつて解放された七星やそれに関わる人間の話を聞こうとセミフィナル大陸へと渡ったのだった。
オインクはそんな彼を『またなにか問題を起こすかもしれない』と警戒し、カイヴォンにもしもの時は再び打ち倒してもらおうと打診していたが、彼女の予想に反し、彼は立派に更生の道を歩んでいた。
その傍らには、彼に思うところがあり、一度は見捨てようとした仲間の姿もあった。
恐らくきっと、彼は共に歩む仲間がいたからこそがんばれたのだろう。
やがて彼はカイヴォンに宣戦布告をし、七星杯に出場する。
だが、ヴィオとの戦いで敗北してしまい、カイヴォンへの挑戦権を失ってしまう。
それでも諦められずに彼は、カイヴォンに頼み込み、そして再び圧倒的な、理不尽な力の差を見せつけられた。
彼が抱いていた『よく分からない、ライバルでも敵でもない、けれども対抗したいと願う気持ち』は、もしかしたら弟が兄に対抗したいという願いだったのかもしれない。
そして今一度、彼は世界をよく見て歩きたいという願いを懐き、仲間と共に歩んでいく。
アリナ
レンの取り巻き三人娘の一人。通称『勝ち気娘』
カイヴォンに対して当たりが強いのは、実は初対面の時に不覚にも『かっこいい』と思ってしまった為。
愚直にレンを信じ、そして付き従っていた彼女。
自分の献身だけで立ち直った訳ではないと知りつつも、それでも常に側にいた自分を誇りに思い、堂々と今も彼の隣に立っている。
元々、ギルドと敵対関係にある貴族の一人娘であったのだが、家の人間の静止を振り切り彼と共に旅に出たという経歴を持つ。
身軽な軽戦士として戦うが、その実力はお世辞にも高いとは言えず、他の優秀な二人に対してコンプレックスを抱いていた。
だが、レイスやリュエとの訓練で『周囲のサポートに徹する』という在り方を示され、そこに自分の進む道を見出した。
レイナ
レン君の取り巻き三人娘の一人。
ギルドから派遣された人間であり、元々レン君一行のお目付け役として同行していた。
が、生来の性格や、アリナ、レンの姿勢の所為かうまくいかず、流される日々を送っていた。
以前、カイヴォンにレンが負けた際に見切りをつけたのだが、カイヴォンについて行くことも叶わず、また自分の責務を果たさずに去るのも不義理だと、レンの元に残る事を決意した。
今まで我慢していた分、レンに強く物を言うようになり、彼の更生には彼女の存在も大きな影響を与えていたのだろう。
また、意外にも彼女の内での評価は高く、神官としての回復魔法は彼ら一行の大きな力となっている。
シシル
レン君の取り巻き三人娘の一人。
いつも眠そうにしているが、それは余計な労力を使わないためにしているだけであり、本来の彼女は熱心な研究者。
一度探究心に火が着けば、顔つきや話し方まで変わってしまう。
カイヴォンと熱心に魔術に対する談義を交わしたり、レンの敗北が濃厚になった時などもその饒舌さを披露した。
元々、エンドレシアの宮廷魔法師兼研究者であったのだが、七星解放というまたとない場面を見てみたいからとお供として立候補した。
勿論、それを許可されるだけの実力を持っている。
また、エンドレシアにてカイヴォンに渡された枕をちゃっかり持ち歩いている。
シュン
サーディス大陸サーズガルドに所属している人物。
今回、お忍びでサイエスの収穫祭を訪れていた。
日頃の責務の疲れを癒やすように出店を堪能した後に大陸を後にする。
だが、この時に食べたカイヴォンの料理について尋ねられた際『アイツの味に似ている』と、どこかカイヴォンの名を口にするのをためらう様子を見せた。
近衛隊長という地位。そして何故そのような態度を取るのか、それはこの先の物語で解き明かされていくだろう。
ダリア
サーディス大陸の国サーズガルドにおいて『永劫の聖女』と呼ばれている女性(元男性)。
建国時から尽力し、また国民から絶大な支持を得ているようだ。
それは、彼女とゆかりのある年に生まれた子供には『ダリア』のミドルネームを与えられる程。
カイヴォンこと吉城とは二◯年来の付き合いであり、その思考回路や物言いもどこか似ている。
また、カイヴォンの良き理解者であり、長い時を国の中枢という場所で過ごしてきただけはあり、人を見る目に長けている。
思い悩むレイスに助言をし、彼女に新たなる道を指し示した。
これから先、カイヴォンとの再会でどのような道を辿るのだろうか。
(´・ω・`)先日活動報告にも書きましたが、四巻の表紙が公開されました。
また2月28日の発売をカウントダウンするという意味で、8日から20日間毎日更新したいと思います。