表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

丘に向けて

潤に逃げろと言われ、丘に向かって走っていく沙由梨と涼介。

「あの禍々しい(まがまが)狼はなんですか?

「あれはシャドウウルフ、名前のとおり影からできた狼です、あれを討伐したという記録はギルド本部では確認されていないので危険モンスターにリストアップされています」

「そんなやつを潤さん1人に任せて大丈夫なんですか!?」

「潤なら何とかするわ、いつもそうなんです、どんな形であれ結果的にモンスターは討伐してきて来ましたから」

「そうなんですか・・・あっ、もう少しで目的の丘に登って行けそうですね」


 木々が生い茂ったところから抜け出そうとした瞬間、

「涼介さん危ないっ!」


 涼介を押し倒して地面に伏せる沙由梨、背後に生えていた木には大きな爪痕がついている。

 グルルルルルルル・・・

「フォレストウルフ・・・1、2・・・4、5・・・ざっと10数匹はいますね、悪いけど涼介さんにも戦ってもらいます」

「自信ないですけどいけます」

「はい、ではいきましょう!はっ!」


 掛け声と同時にナイフを投げあっという間に3匹を倒してしまう沙由梨、続いてハンドガンをとりだし、

襲い掛かってくるのを避けながら倒している。後ろから近付いてくる狼も振り向き打ちで倒していっている。

 涼介は避けるので精一杯で反撃できずにいる。

「うわっと、なんてすばしっこいんだ、攻撃できない・・・」


 攻撃をかわし続けていた涼介はへとへとになり、バランスをくずして尻もちをついてしまった。

「や、やばっ・・・もうやけくそだー!!うおりゃああああああ!!!」

 むやみやたらに短剣を振り回している、それがたまたま1匹にあたり切りつけていく。それにひるんだ残りの狼を沙由梨がライフルで一掃する。


「はあ、死ぬかと思いましたよ」

「油断しないでください、まだいます」

 木の後ろから別の狼が現れる。


「シャドウウルフ!?まさか潤さんやられちゃったんじゃ?」

「いえ、さっきのとは別のやつです、とりあえず森を抜けて丘に逃げましょう」

 沙由梨がナイフを投げ、刺さった部分が再生していく。


「今です!走って!」

 シャドウウルフの体が再生している間に全力で走って逃げる2人、しかし再生に5秒もかからずすぐさま追いかけてくる。

 

 沙由梨は振り向いて、シャドウウルフとの距離を確認するが、その光景を見て疑問が浮かんだ。シャドウウルフはまばらなテンポと距離のステップ踏んで追いかけてきていた。

(何?あの木を避けているようで違うようなあのステップ?・・・とりあえず今は逃げることが先決ね)

「もう少しで森を抜けれます!」

「はい・・・うわっ!」

 

 木の根に足を引っ掛けて派手に転倒する。

「ちょっと!?っきゃ!」

 振り向いた瞬間、沙由梨も足をとられ転倒する。しかし、転倒したタイミングでシャドウウルフが跳びかかってきて、そのまま沙由梨たちを飛び越え、森を抜けて行った。その瞬間、シャドウウルフはコインへと変わっていった。

 それを見た沙由梨はさっき浮かんだ疑問の答えを見つけた。

「そうか、シャドウウルフは影のあるところしか移動できないんだわ、さっきの動きは木の影を踏んでのステップだったんだわ」


「潤も気づいているといいんだけど」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ