忍び寄る影
「ゴクゴク、ふぅ、疲れた」
腰を下ろして水でのどを潤す潤達。
「で、このまま手当たり次第探すのか?」
「そうするしかないじゃない、何か案があるわけでもないし・・・涼介さんはなんかないですか?」
「いやー、僕は何も浮かんでこないです、初めてのハンター活動でいきなり新種のモンスターとか言われてもピンッときませんし、ましてやこの森に来たこともありませんでしたし・・・。」
「まあ、そうですよね」
「なんかすいません」
・・・・・・。
沈黙が奔るが沙由梨がそれを破る。
「そういえばなんでハンターなんてやろうと思ったんですか?」
「・・・まあよくあるやつですよ、店やってたんですけど、いろいろあって店をたたむことになっちゃって・・・よくあることですよ」
「いや、よくはないと思いますけど・・・」
・・・・・・。
再びの沈黙に潤が沙由梨に文句を言う。
「おい、沙由梨のせいでまた変な空気に・・・おい沙由梨」
「ええ、何かいるわね、涼介さん気をつけてください」
「は、はい」
潤はそこらへんに転がっている石ころを気配のする茂みに、ヒュンッっと投げた。
すると、シャっと黒い狼が現れた。
「シャドウウルフか、面倒なやつがでたな」
潤は2本の短剣を鞘から抜いて構える。
「俺がおとりなるから沙由梨は涼介さんをつれてここから離れろ」
「わかったわ、あそこに見える丘の上で合流しましょ」
「わかった、さっさとかたづけて合流する・・・よっと」
跳びかかってくるのをよけながら反撃するが、シャドウウルフに切りかかってもすぐに体が再生してしまう。
「涼介さん、行きますよ」
「は、はい!」
2人が走っていくのを確認した潤、
「行ったか、さて、どうしたものか・・・」