一時帰還
丘についてから数時間がたち、一向に潤がこないので丘周辺を探る沙由梨と涼介。近くのところで倒れている傷だらけの潤を涼介が見つける。
「沙由梨さん、あれ・・・」
すぐさま、沙由梨は潤の元まで駆けつける。
「潤!!大丈夫なの!!?潤!!・・・・・・・・あ、脈はあるわ」
「気を失っているだけですね」
「こんな状態じゃ散策は無理ね、一旦帰還しましょ」
沙由梨はポケットに手を突っ込み野球ボールぐらいのサイズの水晶玉を取りだした。
「それでは、私の近くに来てください、もちろん潤もつれて」
潤をおぶって沙由梨に近づくとその場からシュッと消えた。
ッパっと現れた3人、そこは最初にきたヴェルタムの森の中の水晶玉がある場所だった。
「この小さい水晶玉は近くの転移装置であるこの水晶玉にワープできるものなの」
「は、はい」(潤さん、お重い・・・)
説明しながら転移装置にアクセスし、転送の準備を整える。
「はい、準備できた、それじゃ魔法陣の上に立って」
3人が魔法陣の上に立った瞬間、シュッと消えた。
ッパと現れたそこは出発地点の集会場前の広場。そして向かう先はそのとなりにある診療所へと足を運んだ。
「奈津美ー!!いるんでしょ奈津美!!」
「はいはいいますよ、でかい声出さなくてもいますよ・・・ってなんだ沙由梨か、どしたの?あと見かけない顔も見えるし、ついでに潤もいるし」
「潤を診察してもらいたくて来たのだけれど」
「んー、じゃあそこに寝かせて頂戴、気を失っているみたいだし」
涼介は潤を医療用のベッドにそっと寝かしてその場に膝から崩れ落ちた。
「涼介さんお疲れ様です、そういえば紹介が遅れたわね、奈津美、こちら新人ハンターの涼介さんよ」
「ど、どうもです」
「なるほど新人さんね、私は東雲奈津美、見ての通りここで医者をしているわ、よろしくね・・・さて自己紹介はここまでにして潤でも診てみますか」
潤の着ているジャージのファスナーをおろして脱がせるとあちこち傷だらけだが致命傷なものはないようだ。
「とりあえず包帯巻いておけばいいかしらね」
傷口に消毒液を塗って・・・
「いったい!!!!!しみるー!!!!(泣)」
潤が目を覚ました