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新人ハンター

素人感が気になるかもしれませんがご了承願います。

 山や森に囲まれ自然が豊かで、それでいて文化が盛んで、人々の活気であふれている町、ここアイラタウンの中心に見た目が風化した木造の建物があり、そこの立札には集会場とかいてある。

 その集会場に1人の青年がやってきた。プリントされていない白いシャツ、茶色のカーゴパンツ姿だ。

 中は外見と違ってきれいな出来ていて、広々とした空間の奥には黒いメイド服に似たドレスを着た受付女らしきひとがいた。他にもひとはいたが、あのひとが受付女だということは間違いないだろうと、まっすぐと歩を進めた。

「こんにちは~、あれ~?見慣れない顔ですね~、どうされましたか~?」


 受付女は営業スマイルかニコニコしていた。

「あ、あの、お、俺ハンターやりたいんですが・・・」


 青年はおどおどした様子で頭を掻いた。

「はい、それではまず~、こちらの契約書にサインをおねがいします~」


 どこからともなく紙とペンがだされた。

「えっ、今どこから?というか契約書?サイン?」


 青年は首をかしげた。緊張で混乱して理解できていないのだろう。

「え~、こちらの契約書を~、本部に送ってあなたのことを登録しなければならないので~、といいますかこんなことも理解できないなんて、頭が弱いんですね~」


 グサッ

 青年の心に何か刺さる音がしたきがするのは気のせいだろう。

「なんか、ごめんなさい」


 しゅんとなって謝った。

「いえいえ~、そんなことよりさっさと書いちゃってください~」


 受付女は青年が落ち込んでいるのを気にすることなく契約書のサインをせかした。

 その言葉に青年は緊張してるせいか、ぎこちなく名前を書いた。

(なんか、トゲのあるひとだなぁ)

「はい、ありがとうございます~。それでは、ハンターについて説明していきますね~」


 スチャッ

 受付女は赤い縁のメガネをかけた。

 契約書といいペンといい、いったいどこから取り出したのだろうと青年は思った。

「ご存じのとおりこの世界では、スライム、ゴブリンといったモンスターが存在します~。そして、モンスターを討伐するとコイン、ようはお金が出現します~」

「コインが出現することは知っていますが、その、アイテムとかは出現しないんですか?」


 青年は頭と同じぐらいの位置まで手を伸ばして質問した。

「アイテムは稀に出現するそうです~、稀にですよ~、ま・れ・に」


 受付女は指を振ってみせた。

「は、はあ」


 受付女は青年の返事を無視するように、説明の続きを話し出した。

「コインの量はモンスターの力量クラスによって異なります~」

「つくづく思うんですが、ゲームの世界みたいですよね」

「そうですね~、ゲームと違ってコンテニューできないから気をつけてくださいね~。モンスター相手にきを抜いたらあっという間にゲームオーバーですから~」

「な、なんでそんなに、あ、煽るんですか?やっぱりハンターになるのやめよう・・・かな」


青年は蚊の鳴くような声でつぶやいたが、受付女には聞こえていたらしく、素人でもわかる嫌なオーラが伝わってきた。

「もう遅いですよ~、先ほど契約書を本部におくりましたから~。今更申請を取り下げるなんて無理ですよ~」


 受付女のニコニコの表情は変わってないのに、先ほどまでの表情とは明らかに違う気がする。

「えー!!い、いつの間に送ったんですか!?」


 青年は驚きを隠せずに、前のめりになって言った。

「ですから先ほどですよ~。同じことを2回もいわせないでください~、面倒なので~」


 受付女は頬に手をあてた。

「わかりましたよ、やめたいなんてもう言いませんから説明の続きをお願いします」


 青年の緊張は大分とけてきたようだ。

「え~、なんか~、この説明をするのも面倒になってきたので~、自分で調べて学んでください~」

「ええっ!!!!!!」


 今の叫びで広場全体が静かになり、他の人たち全員が青年の方を見たり、睨んだりしている。

 青年は振り返って、すみませんと頭を下げた。

「ちょ、ちょっと、なんでですか!?自分で調べろと言われてもどうやって・・・」

「他のハンターに聞けばいいんじゃないでしょうか~、とにかく~、私から教えることは以上です~、出口はあちらです~」


 受付女は出入り口の方を手で示した。

「知ってるよ!!あそこから入ってきたんだから」

「あ、そういえば~、今日から早速なされるんですか~?」

「ん、何をですか?」

「何って、討伐活動ですよ~」

「ああ、いえ、今日は買い物して帰ります。武器とかまだ何も持っていないので。」

「そうですか~、それでは私眠いので~、おやすみなさい~」


 受付女は机につっぷして腕を組んで寝息をたて始めた。

「寝るんですか!?しかも寝るの早っ!!」


 そう言って返事がなかったのでため息をついて、集会場をあとにした。

 見た目は綺麗なひとなのに中身が残念なひとだったなぁと思い青年は街に行き買い物するのであった。

このサブタイトルの新人ハンターとは主人公ではありません。主人公は次回からだすかんじです。

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