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プロローグ
甲子園憧れます。
何のために甲子園はあるのでしょうか。
今,グラウンドに立っている。
熱と砂の匂いが全身を包みこみ、何千,何万という歓声が心臓を圧迫する。
もう一度バットを強く握りしめた。だが、手から吹き出てくる汗をこのバットは消してくれない。
白い白線の中で何かを確かめるよう、ゆっくり深呼吸をした。
軽くユニフォームの後ろのポケットに手を触れる。
そして空を見上げた。
空には太陽と海の青が限りなく広がっている。
―なぁ、見てるのか。お前に届くのか...…この想い。