物語の始まり
今回から義足の少年と盲目の少女が出てきます
残酷描写はありませんが苦手な方は戻って下さい
今日の授業が終わると私は駆け出した。
ついに私は告白する。
一回目のイベントの場所に彼はいる
「実!!」
「誠君!?」
信じられない。私は今、彼…いや誠君に抱きしめられている
「大好きだよ、実。」
「私も。」
そう言ってキスしようとしたけど、まるで私たちに行動を阻止するかの様に
光に包まれてできなかった。
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うわぁぁぁあ!!王子とは別の人格だと言われても無理だっ!!今すぐに成仏してくれ!!
顔が近い、さすがに“それ”はまずいぞ?相手は王子なんだ
そう考えていると私と王子の体は光に包まれた
それからすぐに実の意識が確認出来なくなったから恐らく成仏したのだろう。
バッ!!
私と王子は自分の意思で体を使えるようになった瞬間離れた
私の顔は恐らく真っ青だと思う。
「実達が行ったとはいえ大変すみませんでしたっ!!」
すぐに私は謝る。へたしたら不敬罪と言われて体と首が離れてしまう
「いや、こちらこそすまない。」
「あのそれでは失礼してもよろしいですか?」
「あぁ。」
王子から許可をえてから私は全速力で逃げ出した。
だから私は知らないんだ。弟達からもらった髪飾りを落としたことも
その髪飾りを落とさなかったら王子に目をつけられることもなかったなんて
物語みたいだけどこんな時に誰が想像できるかっ!
ふぅ、私は無意識のうちに家の目の前にいた
「あっ!お姉ちゃん、お帰りー」
「ただいま。」
私の家はスラム街にあり、弟と妹三人で暮らしている
弟と妹と言っても皆、私と血が繋がっていない兄弟だ。
弟のライルは片足が義足。妹のティーアは目が見えない。
皆、自分達のせいではないのにこの世に嫌われた子。
親もいないので私が唯一の働き手。
だから私は早く卒業しないといけない
「ライル、ナイフあるか?髪を切りたいのだが。」
「あー、あの子やっと成仏したの?ほい、どーぞ。」
「あぁそうだ。やっと無駄な出費が減る。香油とか無駄に高いんだよな」
私は髪を切りさらに決意を固めた。
だから私は忙しいんだ。
私は乙女ゲームの事情なんて知らない。
神様お願いだから私をこれ以上巻き込まないでくれっ!!