お金の稼ぎ方7 ジュリアーノ商会ウル支店
人は突然に非日常の世界に囲まれると衝動的な行動をする。
お前さんたちも気を付けることだ。
「なぁ? マティルダ、その抱えているものは何なんだ?」
マティルダが抱えている黒い毛玉は何だろう?
「うむ、かわいいだろう、なにせ今流行しているポーチだそうだ。」
「ポーチ?」
思わず...じーっとポーチを見つめていると、
ぱちりと音がして目玉が開いた!
「うぉー、目玉が!」
正直、びびった。
毛玉はふたつの目を開けこちらを見ている。
「どうだガストン、なかなか凝っているだろう。」
「おおう、変わったポーチだな?」
ユリアンも驚いている。
「マティルダ? これはいくらぐらいするのだ?」
「ん? 値段はこれだ。」
マティルダが俺たちにレシートを見せる。
おーーー・・・・・・・・・・・
さすが妖精族の売り子だ。
「ほっほっほっ、お買い上げ、ありがとうございました。」
横にいた売り子のお姉さんが愛想よく礼を言う。
道草を食ってしまった、あれからマティルダにサングラスをかけさせ通路を歩き始める。
マティルダがしきりに首をかしげているが、
「マティルダ、何をしている?」
「いや? 私は確か歩いていて.....」
うーむ、ポーチの話題は当分避けるべきだな。
横を見るとユリアンも横を見ている。
俺も気を付けよう。
俺たちは声をかけてくる売り子を丁重に排除しながら来客受付に向かう。