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お金の稼ぎ方6 ジュリアーノ商会ウル支店

 皆さまは営業で訪問するときはいかなる準備をするだろうか?

基本、訪問には周到な準備がいる。

決しておろそかにできない社会の常識である。


「おい! ガストン、聞いているのか読み上げるぞ!」

「おう...」

ユリアンが最初の取り出したのは、

「食糧1日分」と示す。

「おう」

「はい?」

これは当然だ腹が減っていては何事も対処できない。

「水が1袋」

「おう」

「はい??」

はて?マティルダも食糧と水が要るのか? まぁ要るのかな。

「メモ帳と筆記用具」

「おう」

「はい...」

「妖精印サングラス」

「おう」

「はい???」

「傭兵組合発行店内地図最新版」

「おう」

「はい????」

「方位磁石」

「おう」

「はい?」

地図があれば方位磁石は当然必要だ。

「携帯ランプ」

「おう」

「はい?????」

はっはははは、マティルダの奴は初心者丸出しでやがる。

「よし、確認は終わった、さぁ気を引き締めて入ろう。」


 建物に入るといつもと変わらない風景だ。

入り口からしゃれた感じの商品が展示された売り場が続き通路が奥へ消える。


迷路のように組み合っている売り場の間に通路があり、売り子が来客をやさしく迎える。


「よし、サングラスをかけろ!」

俺たちはおもむろにリュックからサングラスを取り出し装着する。

薄く色づけされた妖精印サングラス、これは店内を歩くにあたり必須だ。

売り場は結構賑わっているようで活気づいていた。

俺たちと同じようにサングラスをかけた客がちらほらと散見される。

ざわめく雰囲気を避けるように彼らは油断なく奥へ向かって進んでいる。

俺たちも大理石の通路に表示されている矢印に従い来客受付へ向かう。


「いらっしゃいませ!」

「お客様こちらの商品をご覧ください。」

売り子さんたちから声がかかる。

「お嬢様、少しお時間をお取りください。」

マティルダがふと立ち止まってしまった、あれはやばいのではないか?

「えーと、急いでいるので...」

「いえいえ、お嬢様ちょっとサングラスの汚れをお拭きいたしましょう。」

何気ない素振りでマティルダのサングラスを取り、きれいなハンカチで拭きながら、

にっこりと売り子の女性が微笑んでいる。


ありやー、やられた!

さすが大商人序列5位 ジュリアーノ商会ウル支店の売り子だ、

素人を見逃さない!

あわてて、近づこうとすると、すーっとワゴンが割り込んできやがった!

「お客様、失礼いたします。」

かわいい売り子の姉ちゃんがにっこり俺に微笑んでくる。

マティルダの方を見ると売り場の奥に吸い込まれるように消えていくのが見えた。





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