~ふたりだけのクリスマス~8
続きです。
「んぅっ・・・・・・」
ごろりと湊がベッドの上を転がった。
上から見ると、湊のスカートは捲り上げられ下着が見えている。
見たことの無い姿で衝撃的だった。
薄っぺらい耳や細い首筋、弱々しく放り出された白い手足は、視線を釘付けにするには十分すぎる。
「うわぁ」
直してくれないか。目のやり場にすごく困る。
「最悪」
ベッドの上から呆れるような目で見られた。
「や、違うんだ。別に何も・・・・・・」
「無理して外になんて出なきゃ良かった」
湊は珍しく、消えそうな細い声を出すとゆっくりベッドから起き上がる。
やや疲れたような顔をしていた。
「街の中は恋人ばっかりで幸せそうで、寂しくなっちゃった」
無理して笑っているような顔は、見ているだけで胸を締め付けてきた。
「だけどね、アキラに無理なお願いして来てもらって、アキラの顔を見たらすごく安心したの」
そのまま湊は言葉を続ける。
「ねぇ、これ覚えてる?」
そう言って湊がポケットから取り出したのは、色あせてしまい茶色く変色したバラの花のしおり。
不恰好すぎるそれは、俺の中にあった古い記憶を呼び起こす。
「昔に取ったバラの花、だろ。それで俺はみなとを泣かせてた」
「そうだね」
「笑ってほしかったのに」
「知ってたよ。でも危ないことをして欲しくなかったから、わたしは距離を置いた」
言葉が、見つからなかった。
耳は湊の声以外を聞きこうとしないうえ、目は湊の顔を見たまま動かせない。




