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~ふたりだけのクリスマス~3
続きです
目を閉じれば、湊とふたりで遊んだ記憶がありありと浮かんだ。
ふたりで楽しみにしていた、クリスマスイブ。
泣いていた。
楽しいはずなのに、目を真っ赤にさせて泣いていた?
・・・・・・だよ。
・・・・・・ちゃんが。
泣きじゃくる湊の声、精一杯に笑う自分、次の日からぎこちなくなった俺たち――なんでだろう。
肝心な部分が抜けている。
〝あの花、きれいだね。とってこれないかな〟
目を輝かせて笑った、ちいさい妹。
可愛いわがままを言う、さくら色をした唇。
すこし生意気そうな目じり。
〝ほら、これ取ってきたんだよ〟
子供の無謀な自信で、怪我をしてとってきたバラの花。
〝ひ・・・ひぐっぁ・・・お兄ちゃんがケガしてまで、欲しくなかったよ〟
そんな俺の前で泣く湊。
ああ。そうか。
思い出すと、忘れていたことが悔やまれるほどの切ない気持ち。
けれども忘れていたがゆえに昔よりも強くなった気持ちが、胸の奥を締め付ける。
あの日。
俺が自分勝手な行動で泣かせてしまったのか。




