表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第2話「消えていく初心者たち」


一作目は、なろうとカクヨムで同時に公開した。

結果はこうだ。


──1ヶ月で、なろう500PV。カクヨム100PV。


……多いのか? 少ないのか?

正直、今でもわからない。


ただ、今になってはっきりと言えることがある。


創作って、結局こういうことなんだと思う。


書いていて、楽しいか?

この一言に尽きる。


それを忘れていた。

あの時の俺は、PVに、評価に、ずっと心を奪われていた。



実は、一作目の時。

初めて「X(旧Twitter)」も開設してみた。


創作専用のアカウントをつくって、宣伝ツイートをして。

知らない誰かがリツイートしてくれて、本当に嬉しかった。


なんてあたたかい界隈なんだろう。


……そう思った。


でも、同時に気づいたことがある。


自分と、数日違いで投稿を始めた“初心者”の存在。


彼もまたXを始めていて、作品も似た時期に投稿していた。

投稿するたび通知が流れて、RTもいいねも付いて、ランキング報告までしていた。


──眩しかった。


自分よりずっと、光って見えた。

悔しかった。

なのに、読み返してみると……

ああ、同じ初心者なのに。俺とは全然違うんだな。


そんなふうに、ちょっと卑屈になっていた。



そして──第1話でも書いた、あの「コメント」が来る。


主人公、暗すぎませんか?


その頃からだった。

自分が書くことが、どんどん嫌いになっていった。


読まれない = 無価値。

そんな等式が、心の中で勝手に完成していた。


PVを稼ぐためなら、何でもやった。

「1話が重いからだ」と思って、

本当は大事だった“序盤の葛藤”を全部削った。


伏線も、構成も、全部軽くして──

“読みやすさ”だけを追い求めた。


でも、結果は変わらなかった。


書いても、PVは増えない。

書いても、評価はつかない。


そして気づいたら──

俺の物語は、まったく別物になっていた。


初めて生み出した、我が子みたいな作品だったのに。



そんな時だった。

あの“同期の初心者”が、突然Xから消えた。


アカウントも、投稿も、何もかも無くなっていた。

「サイトで検索しても、ページが存在しません」


でも……なんとなく、わかった気がした。


これだけ頑張って、

これだけ自分を削って、

それでも誰にも届かないなら。


何のために、書いてるんだろう。

自分のノートに書いて、自分だけで読んでればいいんじゃないか?


そんな思いが、頭を離れなかった。


……そして俺も。


Xを削除して、

なろうを退会して、

カクヨムのアカウントを消して、


Web小説界隈から、姿を消した。


作者の連載作品紹介


『才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで』

(作者:pyoco)

https://ncode.syosetu.com/n4091kh/


無職、スキルなし、人生詰みかけ──だった男が手に入れたのは、悪人から“才能”を奪うチートスキル。

詐欺師の話術、ヤクザの威圧、裏社会の技術まで、自分のものにできる最強スキルで成り上がる……はずが、なぜかヒロインたちが全員やばい。

気づけば会社は修羅場、日常は爆発、毎日が“ヒロイン対応”業務!?


社会の裏で成り上がる系 × ヒロイン全員トラブルメーカー

チート × ギャグ × 地獄の恋愛バトル(?)

コメント返信はヒロイン本人が行う“没入型スタイル”

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ