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扉をあけたら  作者: Makana
4/5

第4章~恋~

これがジェットラグというものなのだろうか?



まだ朝日が昇ってないのに目が覚めた。


窓を開けると暗い海と波の音...


でも怖くはなかった。




(なんだか神秘的だな...)



TVっ子の私がこっちへ来て、


気が狂うのではないかと思ったけど、TV無くても大丈夫だった。



何故だろう...初めて見るもの感じるもの全てが新鮮で感動的だからTV観るよりも、楽しいってことなのかな?



フラ、楽しかったなぁ、またやってみたい。



カイが踊るフラも見てみたい。



そんなことを考えていたら、少しずつ回りが、明るくなってきた....あれ?



窓から身を乗り出して見てみると、10人越えるくらいの人達が海に入ろうとしていた。



サーフィン?


いや違う、ボードは持っていない。




耳を澄ますと何やら海に向かって、何か言っている。



(なんだろう?もう少し近くまで行ってみよう)



部屋を出て下に降り、プールサイドから浜辺に行ける階段を降りる...と、



カイがその中にいた、プアもレフアもいる。


昨日のおばさんもいるけど。




(なんだ?お経みたいな....あ!)



そう、それは飛行機の中でカイが唱えていた、お経みたいなのとよく似ていた。



手を叩き始め、そして...海に入り始めた。


(海に浸かってる~冷たくないのかな?)


腰まで入っていた。


みんなに気づかれないように、そーっと側に近づく。


(あー!頭まで入った!泳ぐのか?)


心の中で私なりの実況中継しながら、釘付けになっていた。



最後は1人づつお互いに例の鼻と鼻をつけての挨拶......私されてないなぁ、あれ。


(まだ部外者扱い?日本人だから?フラ踊ってないから?)


ハテナマークいっぱいだった。


だから、知りたかった。


もっと知りたかった、フラのこと、ハワイのこと。


(1人だけ仲間外れっぽいな...あたし)


少しカイに近づいたと思ったけど、それは遠のいていった....





「コナ~おはよう!」



自然に頬にキスしてきた、カイ。


(自然すぎるだろ...)



リビングでは朝食の準備が出来ていた。



「さぁ、コナこっちへ」



そこにはママ、プア、お弟子さん?みたいな人が3人座ってた。


「ぐっどもーにんぐ!」


日本人が喋る典型的な発音で言ってしまった。

(英語ほんと苦手...)


「アロハ カカヒアカ!コナ!」



「アロハ カカヒアカ!」



(アロハ?カカカ?グッドモーニングで、返してくると思ったのに)



苦笑いをしながら、カイが言った。


「ハワイ語でおはようって意味なんだよ」



「そうなのね!えっと、カカイカ?」



「カカヒアカだよ、コナ」



「アロハ!カカヒアカ!」



大声で言ってみた、みんな笑っていた。


私も一緒に笑っていた。



何が面白いのかわからないけど、みんなの笑顔が私を笑顔にしてくれる。



「ねぇ、カイ、朝早くから海辺で、みんな何してたの?」



「あぁ、あれね、見てたの?」



「うん、目が覚めちゃってさ」



「なんだ~来ればよかったのに」



「あははは...」


(行けるわけないじゃん、まぁ近くまで、行ったけどね、コッソリ)




「あれは、太陽に祈りを捧げて、身を浄めてたんだよ、俺、昨日帰ってきただろ?だから」



「ふぅーん...」



「コナも明日朝しよう!」



「え?あたし日本人だけどいいの?」




カイが笑った。



「関係ないよ、そんなの。昨日言われただろ?オハナだって」



(オハナ!家族、そういえば言われた)



「私も身を浄めたいから、してみたい!」



「うん、明日の朝やろうね」



微笑みながらカイが私の頭に手を置いた。



またもやドキッとした瞬間だった...



「昼前にパパのところへ行くからさ、それまで散歩しようか」



「うん!」



「準備しておいで」


肩をギュッと引き寄せられた。



さっきから私、なんか変だ...



トクントクンって心臓が高鳴ってる、日本にいるときと違うカイが眩しく見える、側にいるだけで安心していられる、頬にキスされるの待ってる....これって...



やばい!好きになってる?


前から好きじゃなかったの?いや、友達としてか思ってなかったと思う...



カイに恋してしまったらしい。

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