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実験体達は完成品となる夢をみるか?  作者: 愛憎少女
第1章 Experimental Body
8/10

#7 結果と新しい任務

白衣の男性は手に持っていた黒のクリップボードに挟まれている書類に目を通す。

そこには彼女達──実験体であるルシエ達の情報が書かれた書類が挟まれており、その書類に目を通した彼は微笑を浮かべるのであった。


「────ルシエ。君はまた記録更新か。素晴らしい」


「博士。ありがとうこざいます」


暗殺という任務は、如何に早く対象を処理し戻ってくるかが重要。

故に、ルシエはまたその記録を更新したらしく、男性は彼女の方に視線を移し感嘆の声をあげると、彼女は深々と腰を折りながら礼の言葉を述べるのだった。


" 博士 "

そう呼ばれる彼は、言わずもがな彼女達を実験体として扱っている人物。

彼の名前や素性は彼女達は誰一人として知らず、皆「博士」と呼んでいるのである。


「──ミロワールとジェンヌは……少し遅かったね」


「鏡いっぱいあって迷っちゃった! ごめんなさい!」『………ごめん、なさい』


「次は迷わないように気をつけようか」「はーい!」


ルシエの報告が終わると、彼はまた書類に目線を移すと数枚めくり、2人に視線を移すと困った様な笑みを浮かべながらそう伝える。

ミロワールはその言葉に笑みを浮かべながら返すのだが、反省はしているらしく謝罪の言葉も述べ、ジェンヌも謝罪する。


その言葉を聞き、博士はそう助言をするとミロワールの頭を撫で、彼女は元気に返事をするのだった。


「………さて────ライア。そしてイザベラ。君らは前と比べると遅かったね。愚か物(・・・)になりたいのかい?」


『その……博士…………』「言い訳をするのかい?」


ミロワールとジェンヌの話が終わり、彼はまた書類に目線を移すと少し眉を吊り上げる。

そして、ライアとイザベラの名を呼ぶと笑みを浮かべ述べるのだが──2人を見つめるその瞳や声色は冷たかった。


イザベラはその声に思わず悲鳴を上げそうになるのだが、すんでのところで堪え理由を述べようと口を開く。だが、にこやかに笑い────笑ってはいるが、目の奥は笑っていない博士の表情を見、慌てて首を横に振るのだった。


「……まあ、次は頑張ってくれるなら、それで構わないよ。………出来るよね?」


「は、はい……!」『…………………』


博士は気を取り直す為に息を1つ吐くと、首を傾げ2人にそう問いかける。

けれど、その言葉に拒否権なんて物は感じられなく、イザベラとライアは慌てて首を縦に振るのだった。





「──────さて、次の任務の事を話そうか」


次の書類をめくり、彼は咳払いをするとそう口にする。

次の任務(・・・・)という言葉に、その場に居た実験体達全員は息を呑み、誰が選ばれるのだろう、と────否、自分が選ばれたいと強く望んでいた。


「今回の任務は少し特殊でね。依頼者が狙撃手であるユウの力を試したいらしくて、今回の暗殺はユウ、君に任せたよ」


『…………アイは……? アイはこの任務出れんの……?』


任務に選ばれたのは、この実験体の中で1番銃を扱える事が出来──その中でも狙撃銃を上手く扱える事が出来るユウであり、彼は頷く。

けれど、彼は妹であるアイと常に共に居ないと嫌な為、詳しい任務の内情よりもアイが任務に参加出来るのかと尋ねるのであった。


「そう急かさない。今回はアイも任務に出てもらおうと思っているよ」


「やったねおにーちゃん……!」『……ああ』


博士の言葉を聞くとユウとアイは顔を見合せ、アイは嬉しそうに笑みを浮かべ、ユウも嬉しいのか静かに笑みを浮かべて彼女の言葉に頷く。

そんな2人を見、博士は咳払いをし2人を一旦静かにさせる。


「それじゃあ今回の任務の詳しい事を話すから、皆良く聞くように」


改めて聞かされる任務の詳しい内容を聞く為に、実験体は息を飲み博士の次の言葉を待つのだった。

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