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#プロローグ
人間は人外を恐れ、人外は生きる為に人間を襲う世界。
そんな世界にある、大陸1番の大きさを誇る王国から、遠く遠く離れた森の奥深く。
神隠しにあう森と呼ばれる森の地下には、ある施設があった。
その施設は、「 」を創る実験棟。
別名『完成品』と呼ばれる物を創り出す為に、この実験練に様々な研究をしている博士が集まり、極秘にその開発を進めていた。
────1人の少女は、空を見つめる。
太腿辺りまでのびる、まるで陽の光の様に一切の陰りがない金の髪を風になびかせ、深海の様に深く光の灯らない蒼い瞳は、欠けた月を見つめていた。
彼女は、実験練の中で1番『完成品』に近い少女。
そんな彼女を筆頭とする、実験番号と呼ばれる少年少女達は、博士から命じられる任務をこなす。
暗殺、偵察、与えられた全ての任務を。
博士が望む結果に、答える事が出来る様に。
罪悪感や慈悲等という感情を捨て、ただひたすらに博士達が望む『完成品』になる為に。
彼女達はその手を汚し、生きる。
これは、「完成品」になる事を夢見る、少女達の物語──────