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File0.裏情景

静かな町。


...トス


一人の黒い影


...トス


「何百年ぶりかね~

この外の世界は。」


深くフードを被り、見える口元だけを緩ませて

黒い煙上になって姿を消す。


-2-

A市2区【グリーンタウン】


木々に囲まれ、緑に包まれた街ともあって

〝グリーンタウン〟


そして、其処には警備兵として勤める男女の1ペアが居た。


「今日も犯罪はなし!

この調子じゃぁ俺ら別の区に飛ばされるんじゃないのか?」


「淳はいつも焦りすぎ

平和なことはいいことじゃない!」


ショートヘアー+茶髪の男は 神久(かみひさ) (じゅん)

ストレートロングヘアー+黒髪の女は 神久(かみひさ) 凛子(りんこ)


お馴染み苗字ではあるが、血のつながりは全くない。

二人は、研修の時に同じ苗字ともあり、ペアーを組まされた警備兵


そんな二人は街を巡回していた。


淳「そういえば、あの事件は未だ続ているのに

俺たちは何も事件には噛ませてくれないよな」


凛子「あー、人が失踪してる事件ね。

調べたところ、昔かららしいよ。」


淳「まだ犯人は逃走中ってすごいな。」

凛子「罪を何度も侵してるから時効にもならないんだよね

ほかの区では警備兵も情報提供があるのに、私たちにないのは不思議だけど

めんどくさい事させられるよりは十分にましかっ!」


淳「俺たちの教官だった 鬼瓦(おにがわら) 丈二(じょうじ)さんも

行方を眩ませたみたいで、もしかすれば鬼瓦教官が犯人じゃないかっていう人もいるみたいだよ。」


凛子「顔は強面だけど、心は奇麗な人だからそれはないわね。」



「あー警備兵さんや、ちょっと手伝ってくれんかのぉ」


一人の老人が二人に声をかける。

駆け付けると、木が倒れたらしく、荷物が挟まって取れないという。


淳「あー・・・この木は怪力持ちの蓮弥君が居ればなぁ。」


凛子「まぁ、今は私たちだし何とかするしかないでしょう。」


凛子は知能が高く

武力は頼りないものの切れる頭を評価されて警備兵になった。


その高い知能はここで活かされた。


バッグの中から眺めのロープを木の中心部に巻き付けしっかりと括り

別の木にもう片方の先端を括り付ける。


凛子「淳、この木をその刀で切り落として。」


淳「はっ!?どうするつもりだ」


凛子「ほんっと馬鹿ね、これを切り落とせば

水に沈むでしょ、落ちる反動であの木がズレる荷物が取れる。」


淳「うまくいかないと思うけどなぁ」


ぶつくさ言いながらも言われた通り斬る。

切れ味が素晴らしい刀は一振りで木を切り倒し、隣にあった湖に落っこちる


...ズズズズッ!

と引っ張られる倒れた木。


向かってくる横たわった木を二人は飛び跳ねて避けると


横たわった木は湖に落っこちる。


「ぉおお!流石ですなぁ!

助かりましたぁ!」


老人は地面に落ちた荷物を背負って歩き去っていく



凛子「フンッ!」

ドヤ顔で睨みつける凛子


淳「あーわかったわかった!

俺も実は行けると思ってたよ!?」


凛子「は~!?あんたうまくいかないって言ってたじゃん!」


二人が言い争っていると

横を通っていくフードを被った人。


淳「おいっ!」


凛子に顔をクイクイと動かして

フード姿の人間を見るように指示する


凛子「・・・怪しいね。」


淳「俺が行くよ。」


淳はその後を追っていく。


ガッと肩を掴み、引き留めようとした瞬間

淳の体は宙を浮き、地面に叩きつけられる


─バチィッ!!!


「あっ・・・」


凛子「はい!暴行罪ね!

拘束するわ!」


背後から駆け寄る凛子


「・・・勘弁してくださいよ。」


フードを捲ると、眼鏡をかけたショートカットの男


凛子「こんな弱そうなやつに負けないでよ!」


凛子は手首を掴んだ。

男はため息を一度つくと

掴まれた手を自分側に引き寄せる。


背中を地面に充てて

グイっと一気に引き寄せると両足を凛子の腹部に当てるようやさしく添えて


後ろへと投げつけた。


....ズザザザッ


パンパンと体についた砂を叩き落としながら立ち上がる男


淳「(今のは巴投げ・・・?)」


「あのー・・・僕は別に怪しいものではなくて。」


淳「うるぅぁあああ!」


立ち上がり、殴りかかる淳


「動きが単調だ。」


淳の腹部に前蹴りを一撃食わす

お腹が後ろに下がった瞬間、顔が前に出てくるタイミングに合わせて

裏拳で殴りつける、腹部にもう一発こぶしをぶつけて


左手をロックし、手を首元に絡ませて足を引っかけて転倒させる


淳「(ッ!?)」


淳の腰に下がった刀を抜き取って、走り向かってくる凛子の顔に

切っ先を寸止めさせて動きを制御する


「良い判断だ。

もう一度言いますが、怪しいものではありません。」


凛子「だったら何よ!」


伊織「私は・・・警視監の壱問(いちもん) 伊織(いおり)です。」


凛子「─ッ!!!!」


その瞬間倒れていた淳も立ち上がり

ビタァッ!と一直線に立ち、敬礼をする。


伊織「いやぁ、怪しい恰好だったので

警備体制は十分ですが、動きが単調すぎましたね。」


淳「ご、ご無礼を!」


伊織「畏まらないでください。」


壱問 伊織は優れた戦闘力と知力を買われ

19歳と最年少ながら警視監を任されるほどの、エース。


淳「で・・・今回は?」


伊織「警視総監である私の父が行方不明になりまして。

次々と他の区の警備兵も行方を暗ましていましてね。」


凛子「そうなんですか?」


伊織「はい・・・ここの区では何か変わった様子などはありましたか?」

凛子「いや・・・ここには特に。」


伊織「そうでしたか。」

「状況を確認しに、足を運ばせてもらいました。」


淳「言ってくれれば電話でもお伝えしたのに。」


伊織「いえいえ、目で見なければ。」

「まぁ、無事であるならばよかったです。」


伊織は一礼して元来た道に帰っていく。


姿が見えなくなって二人はフゥっと大きくため息をつかせた。



─タスゲデクレェエエエ!!!


叫び声が聞こえた二人はすぐに走り

叫び声の場所まで駆け付ける。


淳「どうしッ─」


4人の市民が首を斬られて血を流しながら倒れていた。


「うわぁあああ!」


こちら側に、青白く色を変えた顔で走り向かってくる

その後ろには赤く染まったナイフを握りしめる男


淳「おい!凛子!!!」


凛子「わかってる!」


凛子が銃口をナイフを持った男に向けると

ニタァと笑った直後、ナイフを投げつける。


凛子「─ッ!!!」


咄嗟に発砲した手に持っている銃は

丁度銃口にナイフが刺さり、熱を蓄積した銃は爆発する。


淳「凛子ォ!!!」


淳の視線が凛子に逸れた瞬間

淳の腰に刺さった刀を引き抜いてお腹に突き刺す男


─ズブブブッ!!!


淳「─ッ!!!!」


動きがピタッ!と止まった淳は


ゆっくりと地面に倒れ、離れた凛子に手を伸ばす。


視界が閉ざされた。

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