プロローグ4
「お父さん!ねぇおとうさんてば。」
気が付いたら私は横断歩道の前にたっていた。
「もぉお父さんそんなとこでぼーっとしてたらひかれちゃうよ。」
「あれ?私はしんだはずでは?」
確かにさっきまで死後の世界とやらにいたはずだ。
よく思い出せないが確か一人の女性と...
「何言ってるのお父さん?昨日のお酒がまだ残ってるんじゃない?」
確かに周りを見てもそこには私が生活していた時のの街並みがそこにはあった。
あれは、さっきまで見ていたものは幻だったのか?
「すまないすまない。ちょっとめまいがして。」
「しっかりしてよね。今からお母さんに会いに行くのにそんなだらしないいんじゃお母さん心配するよ。」
菫本当に心配してくれている。本来ならこの年頃になると反抗期になって親にたてつくようになるはずなのに菫にはない。本当にいいこにそだってくれた。
「菫」
「なに?お父さん。」
キョトンとした顔でこちらを見つめている。なんともかわいらしくてもし私が同い年の男子だったら惚れていたかもしれない。
「いやなんでもない。ちょっと呼んでみただけだ。」
「ふーーんへんなおとうさん。」
少し不思議そうにこちらをみているが、すぐに前を向いてまたいつも通り歩き始めた。
するとまた急にしかいが暗くなりはじめた。
「おとうさん!しっかりして!」
あぁまたおれは娘に見送られるのか。これで二度目か。
そしてまた気を失うのにそれほど時間はかからなかった。
するとこんどはとある体育館の観客席にいた。
いすに腰を掛け目の前にはビデオカメラがたっていたRECのマークが点滅していた。
そして下のコートで行われていたのはバスケットボールの試合だった。
片側は知らないユニフォームでもう一つは菫の高校のチームのユニフォームだった。
「ファイトー成宮高校!」
成宮とは菫が通う高校の名前だ。
バスケットボールはそんなに詳しくはないが、それでも菫のプレーがずば抜けてうまいのはすぐわかる。
素早いパスをだして、相手の選手の裏に回り込み味方のパスをフリーで受けて最後にはきっちりシュートを決めた。嬉しそうにチームメイトとハイタッチをする姿に父性がくすぐられる。
しかしなぜだ、たしかまだ菫は1年で試合にはまだ出ていなかったはず。
すると視界に「2020年国体大阪府予選」と書かれた垂れ幕が目に入った。
おかしい確か私が死んだのは2018ねんのはず。2020年ということはここは2年先のこととなる。
しかしあそこにいる菫が嘘だとも思えない。まさか私は今未来を見ているのか?
死後の世界も存在したのだ。今更こんなことで驚かない。
しかしなれなぜ私はいま未来を見せられているのだ。だれが何のために?
いや答えは分っている。俺のために誰かが見せてくれている。でもいったいだれが?
「みてみてお父さん。また菫がゴールをきめましたよ。」
長い髪の毛に雪のような純白の肌の女性。そう妻の亜里沙が横に座っていた
「どうして亜里沙ここに?なぜいるんだ?」
「私もあなたと一緒。自慢の娘の活躍を見に来たのよ。死んでしまってもよくこうやってみにきていたのよ。久しぶりねあなた。」
感動で頭がいっぱいになった。まさか亜里沙にまたあえるなんて。
「俺もあいたかったよ。亜里沙。」
「あらあら俺なんかいっちゃって。」
「いいんだよ、君の前ではこんなかしこまった風にしゃべりたくないんだ」
「ふふふ。相変わらずね義彦さんも。それよりも見て。私たちの娘はあんなにいい子にそだったわ。それもこれもお父さんのおかげよ。」
「いやいや俺は何もしてないよ、あの子が君に似てお利こうさんなだけだ。」
「いいえおあなたは十分やってくれたわ。私もいろいろしてあげたかったけど。」
「大丈夫さこれからは一緒にあの子を見守っていこう。なぁにあの子なら心配はないさ。」
しかし亜里沙はうなずいてくれなかった。
「いいえ、おなた。一緒にはみまもれないわ。
「なぜなんだ、俺はもう死んだ!きみといっしょで。だからいられるはずだ!」
「確かにあなたはしんでしまったけど、まだできることはあるのよ。」
「そんな、せっかくまたあえたのに。」
「わたしも悲しい。でもあななたはやらないといけないわ。内容はもうじきわかる。」
「それなら俺じゃなくて亜里沙が代わりに。」
「それはできないわ。」
「だっておれはあの娘に何にもしてやれなかった。そんあおれがまたやっても。
「もしそうだったとしても、そらならこれからはなにかしてあげたらいいじゃない。
今からでもおそくないわ。いまからでも変えられる。あなたにはそのチャンスがある。」
「亜里沙....」
「だからいってきて、あなた。あの娘のために。」
「わかったいってくるよ。」
おれはなにもしてやれなかったと思い込んでそれを理由にあの娘からにげていただけだった。
でもそれはもうやめにすることにした。まだ支えるチャンスがあるならそれを後悔しないように必死にがんばることにした。
「いってらっしゃい、お父さん。」
「いってくるよ、お母さん。」
そういうとまた視界が暗くなり気を失った。
そしてまた目が覚めた
「やっとおきたわね。おわったわよ。」
「なにがおわったんだ?」
「1つしかないじゃない。分別の儀式よ。」
やっとここまで来ました。次でプロローグ最後です。その次からは高校生活編をスタートさせようと思うのでよろしくお願いします。ここまでご愛読していただきありがとうございました。